初のプロダクトからグローバルをめざす「VOTE」開発で副業メンバーが活躍|株式会社blue様

大阪に拠点を置くフルリモートワークのデザイン・システム開発企業、株式会社blue様。新しいエンターテインメントを提供する新サービス「VOTE」を今年7月にリリースしたばかりのblue様は、正社員5名 + エンジニアやデザイナーの業務委託メンバーが約100名という体制で、3年弱で318件の受託開発の実績を持つ注目企業です。

初の自社プロダクトの開発について、エンジニアやデザイナーの働き方や報酬構造を是正するコミュニティとチーム作りの構想について、業務委託メンバーの多いチームでフルリモートワークでプロジェクト遂行していく秘訣についてなど、代表取締役 吉永尚由様に、幅広く伺ったインタビューです。 

前編では、プロダクトや副業メンバーの活躍を伺っています!

新しいコミュニケーションのきっかけを提供するVOTEのリリースへ

ー 受託開発で高い実績を誇るblue様ですが、初めての自社サービスをリリースされましたね。

吉永 「VOTE」というサービスです。”vote”というのは投票するという意味の単語ですが、このサービスでは一般の人たちが、気軽に投票の「お題」を作ることができ、その「お題」に対して他の人たちは気軽に投票することができます。

ー ユーザーとしては自分のクリエイティビティを試せたり、問いに反応をもらえたり、新しいエンタメの一つになるかもしれないですね。

吉永 その通りです。「お題」はコミュニケーションの一つのきっかけになり、投票やコメントを通じて新しいコミュニケーションが生まれる媒介(メディア)にもなると考えています。

たとえば最近、好評だった「お題」は、

「卒業アルバムの写真、満足している人いますか?」

どうでしょうか? いろいろな記憶が思い出されるようなおもしろい問いかけですよね。

VOTE内でも、「満足していない」という投票が多くて盛り上がったのはもちろんなんですが、いろいろな個人の方のコメントでも盛り上がりました。

それから別の「お題」で盛り上がったものがこちら。

「復縁したことある人いますか? いたらどうだったか教えて!」

これもみんなが語りたくなるような、生身の人間だからこそ楽しいやりとりが生まれるような「お題」でした。

今の時代はChatGPTでいろいろな情報を得られるし、すぐに問いの回答を得られる時代です。だからこそ、「生身の人間」が答えてくれるこのサービスは、良さがあると思っています。すぐにAIが回答してくれる正しい答えということではなくて、失敗もするし恥ずかしい経験もする「生身の人間」同士だからこそ盛り上がるし、聞きたくなるし、答えたくもなる

「VOTE」はそんな「生身の人間」同士のコミュニケーションの良さが生かされた、いろいろなことを訊いたり参照したりするようなプラットフォームになるといいなと思っています。

初めての自社開発。アジャイル開発に対応できたのが副業人材だった

ー 開発にはシューマツワーカーからの副業メンバーが入っていると聞きました。

吉永 はい。ここには理由がありまして、「VOTE」の開発をアジャイル開発で進めることにしたことです。アジャイル開発にはプロダクト開発においてメリットもある一方で、開発メンバーのリソース確保には課題が生じました。

というのも、アジャイル開発の場合、システム開発会社に業務委託することが難しくなるんです。なぜなら、アジャイル開発の場合は、あらかじめ仕様が決まっている開発プロセスである「ウォーターフォール」型の開発とは異なります。開発を進めながら仕様を固めていったり、検証していったり、変えていったりするわけです。

うちもそうですが、システム開発会社の場合は契約上、「納品義務」があります。ですから、納品物の仕様があらかじめわからない状態で契約するのは難しいんです。

ー なるほど。

吉永 一方で、シューマツワーカー経由での副業メンバーの場合、「納品義務」の伴わない準委任業務委託契約です。この契約の場合にはスポットで入っていただくこともできますし、納品義務もないため、アジャイル開発でも入ってもらいやすいんです。

その上、レベル感も高い方が多く、その一方で初期費用などの価格設定も比較的安い

かつ、たとえばプロジェクトマネージャー(PM)として、仕様を設計していくプロセスを担当してもらうなら、1人月のリソースが必要というものでもありません。ミーティングベースで、実装まで入らないということであれば、稼働時間は月20時間程度で十分、成果を上げることができます。そういった業務の場合、時給で稼働できる副業人材が、ピッタリ合ってきます。

納品義務、開発プロセスの柔軟性、レベル感、そしてリソースも条件に合うのが、シューマツワーカー経由の副業人材でした。

特許も取得した「VOTE」の仕組み。NFTを活用し、海外進出も計画中

ー 新サービスの話に戻りますが、「VOTE」はビジネス特許を取得済みと伺いました。

吉永 はい。投票できて、意見をしあうこともでき、その結果が公開される、というのが「VOTE」です。見た目としては投票ボタンがあり、結果の%を見ることができ、Yahooコメントのように意見をしあえるスペースがある。ここまでであれば見たことのあるサービスと思われるかもしれないのですが、ここからがユニークです。特許を取得しているのもここから先です。

仮にユーザーの出したある「お題」が、コメントを含めてすごくバズったときに、その「お題」をNFT(Non-Fungible Token)に登録し、メディアに対して正式な情報源として販売することができる、という動線をサービス内に作っているんです。

ー NFTという言葉は最近よく聞きますが、どういうものなんでしょうか。NFTに登録されると、ユーザーにとってはどういうメリットがあるんでしょう?

吉永 NFTというのはデジタル情報を固有のものとして証明する技術です。あるユーザーの立てた「お題」を、そのユーザーが情報源を生み出したものとして証明することができます。

ユーザーのメリットですが、わかりやすくいうと、Youtuberが動画を上げるとプラットフォーマーであるGoogleから収益を得ますよね。それと同じです。VOTEでバズりネタを作成し、YahooニュースやLINEニュースなどのメディアに売れた場合に、収益が上がるというしくみができるんです。VOTerにとっては、そうした収益を得ることができるので、ゆくゆくはYoutuberのようになっていけばいいなと思っています。

ー 「VOTE」のマーケティング戦略はどのように考えていらっしゃいますか?

吉永 これからマーケティングを開始していきたいと思っています。一方で、”投票”という行為が、欧米の方が深く根付いている文化的背景もあって、年内にオーストラリアなどに拠点をつくり、英語圏の収益をメインにしていこうとも企図しています。国内でももちろん活動していきますが、海外でより広めていきたいと思っているんです。

「副業だから」を理由にせず、「チームとして」働けること

ー なるほど。これから広がっていきそうですね。この「VOTE」の開発を進めていく中で、副業メンバーの加入が役に立ったというのは良かったなと思います。副業メンバーと働くメリットは大きかったでしょうか?

吉永 はい、大きかったです。ただ、やっぱり気をつける点はあります。副業メンバーにとってはあくまで「VOTE」の開発は「副業」になるわけです。とはいえ、「副業だから」という姿勢で開発に臨まれるのは、私たちにとっては困ります。私たちにとっては自社のプロダクト開発ですから。

だからそういった方は、特に当社のようなスタートアップで、初めての自社プロダクトを開発する現場には合わないということもわかりました。

ー それはもちろんですよね。

吉永 でも優秀な方ほど「副業だから」といった姿勢で来られることはなくて、むしろチームメイトとして積極的に関わってくれたり、提案してくれたりということがありました。シューマツワーカーで紹介いただいた方たちは優秀な方が多いという印象もあります。

ー 開発の中で困ったことはありましたか?

吉永 期待値を間違うケースというのがありました。

弊社としては自社プロダクトは初めての開発でしたから、どうすれば良いかわからない局面は色々とあります。そんな中で、新規開発の知見の豊富な副業人材に、アドバイスしてもらうことを求めて入っていただいたケースがありました。

でもそのときに、うまくその点の期待値がすりあっておらず、「副業だから」ということで、自発的に発信することや提案することを控えてしまう方がいました。そうすると議論もできませんし、アサインしていただいた意味がない状態になってしまい、タスクが減っていって契約終了となってしまったケースがありました。

そういうミスマッチが起きたケースがあったので、blueからも明確に期待値を共有するようにして、その後は良い人材をアサインいただけるようになりました。

ー 「副業だから」というのを理由にせずコミットしてくれる方が向いていそうですね。

吉永 チームメイトとして働いてくれる方が、一緒に開発していく場面では向いていると感じます。

11名の副業メンバーが活躍中。職種の内訳と依頼業務の特徴とは

ー その後も多くの副業メンバーがblue様で働いていますね。

吉永 現在、シューマツワーカーからは11名の方が稼働してくれています。

職種でいうと、6割がエンジニアです。フロントエンド、バックエンドなど幅広く担当していただいています。

UIUXデザイナーが3割。それ以外では、PM(プロジェクトマネージャー)など、技術開発以外の分野でも活躍してくれている方がいます。

ー 特殊なポジションかと思うのですが、海外戦略アドバイザーと翻訳で副業メンバーが入っていると聞いています。

吉永 「VOTE」の海外進出のためです。法人立ち上げ、英訳、現地に社員が一名赴く予定なので、ビザ手続きの手伝いで入っていただいています。

ー 幅広いですね。

吉永 今、VOTEのサービスサイトが全て日本語なので、今後、英語版も必要になります。そのための人材を募集したのが始まりでした。初めはやることが明確な状態で入っていただいていたのが、やっていただくことがどんどん増えていきました

ー 先ほど、アジャイル開発では、納品義務のある契約なので委託会社に依頼することが難しいというお話がありました。シューマツワーカー経由の副業メンバーと、個人の業務委託人材や委託会社などでは、依頼する業務が具体的にどう違うのでしょうか?

吉永 シューマツワーカー経由の人材にお願いする業務と、そのほかの業務委託やシステム委託会社さんにお願いする場合では、まず業務量に違いがあります。

この期間で全ての実装まで終えたい、まるっとお願いしたいという場合には、パッケージでお願いできるので、システム開発会社への委託とすることが多いです。その場合はウォーターフォール型の開発体制で、PHPでこの要件で全て実装をお願いします、というところまで落とし込んで依頼します。

逆にシューマツワーカーでアサインいただいた方には、アジャイル型の開発体制に入っていただくケースももちろんありますし、設計だけ、テストだけなど、タスク単位でもご依頼できるというのが特徴だと思っています。

副業プロジェクトマネージャーが活躍する2つのシーン

ー 副業メンバーのPM(プロジェクトマネージャー)が2名ということですが、PMはどのような業務をしているのでしょうか?

吉永 大きく分けて、自社プロダクト「VOTE」の開発と、受託開発に分かれます。

「VOTE」の場合、自社のPMが、テスト設計にそこまで知見がなかったんです。そこでテスト設計とテストのプロジェクトマネジメントをお願いしたいということで、入っていただきました。

ー なるほど。社内になかった知見を補う目的が最初だったんですね。

吉永 はい。とはいえ、知見のない領域を補った上で、実稼働もしてもらっています。

ー 受託開発に入っている副業のPMメンバーもいるんですね。受託開発の場合は、PMはblue正社員メンバーの方かと思っていました。

吉永 基本はそうしていますが、正社員メンバーがいっぱいいっぱいという場合があって、シューマツワーカーさんから入っていただいている副業メンバーに、案件にも入っていただくケースがあります。

ー 具体的にはどういったケースがありましたか?

吉永 受託開発は、いろいろな案件のご相談をいただきます。副業メンバーがPMを務めたプロジェクトとしては、イントラネットのリプレース案件がありました。JavaからPHPへのリプレースです。

設計の相談をしたいというかなりざっくりとしたリクエストだったのですが、そのタイミングで正社員メンバーのPMの時間がとれず、知見のある副業メンバーに、プロジェクトの入り口から入っていただき、エンドの仕様、設計書をまず組み立ていただいて。

ー こちらのPMメンバーは、この案件が決まってから募集されたのでしょうか?

吉永 いえ、それ以前から入ってもらっていた方だったんです。なので副業メンバーのスキルや経験はわかっていて、そのまま次のプロジェクトにも入っていただいたという形でした。

ー なるほど。blue様では3年間で318件の受託開発の実績がおありです。すごい数ですよね。

吉永 blueとしては、案件を「会社として受ける」というふうに考えていないんです。案件を「コミュニティで受ける」という言い方が、より正確に表していると思います。

ー 「コミュニティで受ける」というのは。

吉永 案件がblueというコミュニティに投げかけられる。blueというコミュニティの中で、案件に対してチームを組んでいく。そういうイメージです。

ー 後半では、そのあたりをさらにお伺いさせてください!

前編をお読みいただきありがとうございます!後編はこちら
https://shuuumatu-worker.jp/journal/interview/blue2/

後編では、「コミュニティとして案件を受ける」というblue様の思想についても、さらに詳しく伺っていきます!

blue 様のお話をヒントに、

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