オフィス街でロボットを作る企業が、副業マーケターと目指す次のフェーズとは|ugo株式会社様

2本のアームと移動機能を備えた、遠隔と⾃動化のハイブリッド制御を採⽤した次世代型アバターロボット「ugo(ユーゴー)」を提供するugo株式会社(旧社名: Mira Robotics株式会社)様。

副業人材の活用により、製造業 × SaaSに知見のあるメンバーとともに新たな施策に挑戦、見事成果が出て、次なるPMFに向けて開発を進めておられます。今回は事業開発全般を管掌されている、ugo株式会社 取締役COO(CHIEF OPERATING OFFICER)羽田 卓生様にお伺いしました。

オフィス街でロボットを作る。販売も生産も一気通貫にPMFを目指す今の体制

ーー事業について教えてください。

ugoというロボットと、ugo周辺のプラットフォームを開発している会社です。ということで、まずは「ロボットを作っている会社」と見られがちですが、ロボットを通して、DX環境を提供していく会社です。

ーーDXですか?

今作っているものをそのまま使っていただき現場の課題を解決ーーというパターンもありますが、それだけではお客様の課題が解決できないとわかれば、私たちが現場に入っていき、ロボットをご提供するだけにとどまらず、環境をこう変えましょう、運用をこう変えましょうというご提案するところまでしていきます。

ーーどのようなチーム編成なのでしょうか?

セールスならびに実証実験を進めていくメンバーもいますし、カスタマーサクセスのメンバー、開発メンバーという構成になります。全体では40名くらいいます。

「ロボットを作っているベンチャー」というと、開発はするけれど生産自体は委託しているケースも多いと思うんですが、ugoの特徴は自社でロボットの生産まで行っていることです。今、インタビュー自体はオフィスで受けているんですが、この奥の部屋では実際に生産が行われているんですよ。

ーーえ! ロボットを生産している現場も、そちらですか。

そうなんです。なので、ロボットを生産している開発者もいれば、ソフトウェアの開発者も自社にいます。開発しているメンバーも、生産しているメンバーも、販売しているメンバーも、みんな自社に、と言いますか、同じオフィスに、神田にいるんですよ。

工場ではなく、ただのオフィスビルの中に生産設備が入っているんです。

ーー生産も開発も、セールスも、さまざまな職種の方が同じ場所にいるということは、御社のこだわりなのでしょうか?

こだわりというわけではないんですが、結果としてこれはugoの大きな強みにつながりました。今後もぜひ継続したいことでもあります。

ーー生産拠点やオフィスが一箇所に集中していて、それが強みになっているというのは、どのような局面で感じられますか。

今、ugoはさまざまな業種の企業に、さまざまなユースケースで導入いただいています。それぞれのご利用においてPMF(プロダクト・マーケット・フィット)していくことを目指していますが、簡単ではありません。お客様のお声を聞き、フィードバックを元に迅速にプロダクトに反映させていくことが求められます。

生産現場が近いことで、そのプロセスを一気通貫に行うことができるんです。この一点を改善することができれば顧客の使い勝手が全然違うのにーーという改善をコンパクトに繰り返すことができます。それも、ハードウェア・ソフトウェア関係なくできますから。社内でパーツも作れるし、加工もできるし、プラットフォームの開発もできるのが利点です。

製造業もSaaSも理解している人材を募集。ハードルの高い採用を副業で解決

ーー2018年に創業され、現在40名。急成長ですね。

はい、順調に仲間が増えています。この1年間でも2倍くらいになっています20名から40名くらいに。このオフィスには、2021年5月に移転してきましたが、すでに手狭になってきていますので、2023年1月には近接したオフィスビルのフロアに、拡張する予定です。

40名の中には、多様な働き方、雇用形態の方がいます。生産の組み立てのプロセスにはアルバイトの方も多いですし、副業メンバーも、業務委託メンバーもいます。

ーー羽田様の役割を教えていただけますでしょうか。

私はBizDev(事業開発)全般を担っています。なので、とにかくugoというプロダクトをさまざまなユースケースでPMFさせていくことを目指しています

ーー羽田様と直接ご一緒している副業メンバーについて、役割を教えてください。

はい。この副業メンバーを受け入れたときには、役割は「リードジェネレーション(新規リード獲得)」ができる方を募集しました。とはいっても、弊社の場合に特殊なのが、製造業でありながらSaaSっぽいマーケティングプロセスをしようとしていたことです。つまり、理想としては製造業とSaaSいずれの経験もある方、という人材を求めていたんです。

ーー正社員採用は考えられましたか。

はい、考えましたが、転職市場でこうした人材を探すのはあまりに難しい問題でした。人がいない。と同時に、ある意味このとき弊社が抱えていた課題って、ギャンブル的な要素があるようにも感じていました。

というのも、採用する方のメソッドと、市場と、私たちのプロダクト、この3つが重なれば良いのですが、そうでない可能性も大いにありますよね。なにしろ、これからPMFを探っていくフェーズで、どのようなメソッドが通用するかわからない中でやっていきたいという話なのですから。そんなに一人に多くの引き出しを求めるのもおかしなことですし、そんな中での正社員採用は、ひょっとすると不幸な結果を招きかねません

検討した結論として、シューマツワーカーの契約の中でまず稼働してもらう、ということの方が無難だなと考えました。

ーー全くフィットしないケースも考えられますものね。

そうです。そして、そうであったとしても誰かが悪いわけではありません。正社員採用をしてしまった場合、そういうことはあり得たと思います。その採用のリスクや不安要素を回避する方法として、今回シューマツワーカーを活用させていただいた気がします。

その結果、かなりドンピシャな方にお越しいただきました。新卒でクラシカルな製造業を経験し、その後SaaSビジネスをいくつか経験されている方でした。

その上で良い点は、私たちの組織が持っていない引き出しをいくつも持っている方であるという点です。

副業メンバーの提案で実現した「すごく跳ねた!」マーケティング施策とは

ーーそのときの御社が直面されていた課題について、もう少し詳しく教えてください。

具体的には、ugoを警備向けに活用いただくというユースケースではPMFができていました。お客様への価値提供に成功し、企業様からの引き合いもありました。また、こちらはすでに中核となるパートナー企業がいて、パートナーセールスが安定的に進捗しつつありました。また、PR活動もうまくいっていて、インバウンドでのリード獲得も進んでいたんです。

一方で、スタートアップとしてさらに事業成長を加速していくためには、もういくつかの業種やユースケースにおけるPMFを達成していきたいと考えていました。そのために必要だったのが、もっと積極的にリードを獲得していくことでした。

ーー戦略も実行もある程度担ってくれる人材を求めていたんですね。

はい、これまでやってきた継続ではなくて、新しいことを進めていきたかったんです。何をどのようにしていくのが良いのか、そうした面から考え、そして手を動かして実行していける方を求めていましたね。

ーー募集を開始した後、シューマツワーカーの進捗はいかがでしたか。

すぐに副業メンバーを紹介してもらい、あっという間に稼働開始しました。

稼働開始してからは、弊社の状況をご説明し、自分たちのやっていない打ち手で、副業メンバーが可能性がありそうだと考える提案をいただきました

実は、そのときにご提案いただいたのが「展示会への出展」だったのですが、私自身はそのとき、あまり展示会には期待していませんでした。本当に結果が出るかなぁ、と思っていました。費用対効果としても・・・。

ーー展示会は非常にコストがかかりますものね。

しかし副業メンバーからは、「羽田さんが検討した時期から、状況も変化しています。プロダクトの特性を考えても、展示会という施策は可能性があると思います」という指摘をもらって。それなら一度やってみましょう、と。

すると、本当に驚きだったのですが、それがすごく跳ねたんです!

警備以外のユースケースでのPMFに向けて実証を進める大きなきっかけをつかむこともできました。副業メンバーからのその提案がなければやっていなかった施策でしたから、感謝しています。

新たなユースケースでのPMFへ、マーケティングの貢献

ーー展示会に出展したのは、副業メンバーが入ってからどれくらいでしたか?

副業メンバーが稼働開始したのが2022年6月で、展示会には、その月末には出していました。その結果を受け、8月末にも出しました。

ーーすごいスピードでの意思決定ですね。

やってみて、ダメだったらダメで良いですからね。ダメなことが分かるというのも成果だと考えているので。

ーーなぜ意思決定できたのでしょうか。

マーケットを理解されている、経験のある方からの提案だからというのはありました。まず信頼してみよう、と。あとは、とはいえ極端なキャッシュアウトではないという、試行錯誤が許容できる範囲内なのかは確認しました。

そして初めて出した展示会、初日スタートして1時間くらいでもう、これは成功だったなと思いました。獲得リード数、他のブースと比べた人だかりの違い・・・手応えが違いました。もっと多くのメンバーを連れてきたらいいなと反省していたくらいです。

ーー展示会の施策自体は、事業成長に対して貢献する成果でしたか。

はい。実はugoというのは、市場においてユニークなサービスであることもあって、インバウンドからの商談化率は高いですし、商談化してからの案件化可否の決まるスピードもかなり早いプロダクトなんです。かつ高単価の商材ですので、一案件あたりのウェイトも高い。

つまりマーケティングの進捗が事業の成長に直結します。副業メンバーと進めた施策の成果はとても大きかったです。先ほど申し上げた、製造業でありながらSaaSっぽいマーケティング・セールス戦略というのも、実現しつつあります。

ーーPMFの達成については、いかがですか?

進んでいます。案件化したものについては、その業種、ユースケースに合わせて、顧客の持つ課題を解消できるところまでやりきる、というのがugoの基本姿勢ですから、伴走するお客様が増えることでPMFできていく業種が増えていくと思っています。

仕様を変えられませんとか、メーカーに注文しないと変えられませんといった会社ではないので。ここでも、同じフロアで開発し生産しているugoの強みが生かされています。

ーー事業の展開についても教えてください。

現在ugo4、ugo miniというモデルが最新型で出ています。毎年、新しい世代を出していき、モデルチェンジしてどんどん良くしていきたいと思っています。

また、ラインナップも毎年増やしているのですが、それも続けていきたいです。ugo EXというのを2021年に出し、2022年はugo mini。シンプル化、低価格化のラインです。一方で、プレミアム化、高機能化したラインも開発していきたいです。

それから、プラットフォームだけを切り出したプロダクトも展開し始めており、マネタイズを模索中です。現在は企業との協業という形です。これは安川電機、川崎重工に出資を受けてプレスリリースも出している(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000034305.html)のですが、弊社のプラットフォームを業者が使うというものです。各社が持っている産業用アームロボットなどの自社ロボットに対し、そのプラットフォームとして弊社のシステムを使っていくのです。

新しいことをやるときには、知見や経験のある人と一緒にやるのが早い

ーー今後の組織の成長についてはいかがですか。

やらなきゃいけないことだらけです。BizDevでいえば、現状は非常に属人的になっていて、これを構造化していきたいと考えています。アウトソースできるところはアウトソースしていくなど。

展示会の施策も継続しますが、新しいこともどんどんやっていきたいと考えています。認知を上げ顧客基盤も広げていきます。パートナー戦略や、新たな施策など。副業メンバーにもこのまま新たな施策でご一緒させてもらえたらと思っています。

ーー副業人材が入るときに、不安などはありましたか。

不安はなかったです。私自身、20年以上新卒から同じ企業に勤めていましたが、その後2年ほどフリーランスをしていた経験があって。そのときに、自分自身が「外の人」として関わったこともあって、新しいプロジェクトって複合軍でやるもの、という印象を持っていました。プロジェクトを進めていくチームになって仕舞えば、「中の人」「外の人」は関係ないんだなと。

でも一方で、「外の人」としてやりにくい状況というのがあることも知っています。2つあると思いますが、「内部の人は全員が知っているけれど、「外の人」だけ周知漏れしていて、知らない」という状況。情報の非対称性がある中でコミュニケーションされてしまうと、やりづらいですよね。それと、「アウトプットがはっきりしない」状況。アウトプットがはっきりしない人もやりづらいし、アウトプットをはっきりさせてくれない依頼者というのもやりづらいですよね。

そういうことに気をつけて、副業メンバーが入ってきたときにも、やりやすい環境を用意できるように心がけています。情報はむしろ多めにお渡しするようにしています。

ーーシューマツワーカーからは、先ほどのマーケターの他に、今はエンジニア2名、デザイナー1名が入らせていただいていますね。

代表の松井と一緒に動いてくれているメンバーです。マーケティング施策の中で、動画作成をお願いした方は私も松井も、一緒に関わらせていただきました。

ーー動画制作は、どのような業務だったのでしょうか。

自社の展示イベントを開催していまして、その場で流す動画なんですが、動画は、実は私たちにとってとても大事なんです。というのも、ロボットって、動いている様子を見ていただくのが実際に一番いいんですよね。でもなかなか、企業の業務中に現場での撮影というのは難しい。なので、ugoのロボットが走ったり動いている様子を撮影した動画と、現場の様子に近い写真素材を、CGで合成して動画を作成していただいたりして。

自社イベントは秋葉原の大規模な会場にて、2022年も2度開催し、300名程度の来場者の方にお越しいただきました。2度とも、動画作成マーケターの方にご活躍いただいたんですよ。

ーー今後も新たに副業メンバーと働く機会はありそうでしょうか?

これからも新しいことを目指そうとするときには必ず副業人材の活用は検討に上がると思います。特に新しいことをやるときには、詳しい人、経験のある人とやる方が絶対に早いですから! 

もうすぐ弊社の決算年度も変わるので、新しいポジションを増やす検討も始まります。またすぐに、シューマツワーカーに相談すると思いますので、よろしくお願いします。

ーーありがとうございます!お待ちしております。

ugo様のお話をヒントに、

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という企業様は、ぜひお問合せ、ご相談ください(相談は無料です)。

シューマツワーカーでは、約 41,000人(2023年2月時点)の豊富な複業人材データベースから、企業様のご希望に沿った人材をご紹介するだけでなく、副業メンバーとして働き始めたワーカー様と企業様に伴走したサポートをご提供しています。お気軽にお問合せください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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