上場を達成したDtoCスタートアップの「事業成長のスピードを緩めない」採用戦略とは|ベースフード株式会社

2022年11月に東証グロース市場に上場したベースフード株式会社様。完全栄養食※の開発・生産・販売を行い、サブスク購買によって事業が急成長している2016年創業のスタートアップです。

「人生を楽しみ尽くす基盤のある世界に。」をビジョンに掲げ、「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」をミッションに、創業当初からITを活用した生産性の向上や効率化を目指してきましたが、食品会社としての知名度が向上する一方で、エンジニア採用には苦労してきました。

今回はそんなベースフード様のエンジニア組織を統括する、ベースフード株式会社 VPoE 煙草森 直也 様にお話を伺いました。

完全栄養食を開発提供する会社が、エンジニアチームを重視する理由

ーーまずは、ベースフード様の上場承認おめでとうございます。上場を果たされた中で、会社としてフェーズが変わるタイミングなのかなとも思うのですが、エンジニアチームを統括されるお立場としては、どのように捉えておられますか。

上場により、一般的には認知が上がったり、社会的な責任が大きくなるといった変化があると思うのですが、もともとベースフードは食品会社なので、人の身体に入るものを作ってご提供していますから、社会的な責任という意味ではずっと重いものと思い続けています。

上場というより、会社の規模が拡大する上で思うのは、まずはお客様が増え、配送や決済も絶対数が増えていく中で、システムの力がより重要になっていくとは思っています。システムによって生産性を上げることの重要度が、これまでよりもさらに大きくなっていくと思います。エンジニアとしてはますますやりがいのあるフェーズではないかと思います。

ーーなるほど。では、ベースフード様の事業と、その中でのシステムの役割の変化について教えていただけますか。

ベースフードは、完全栄養食の開発・生産・販売、そしてお客様とのコミュニケーションまでやっているいわゆるD2Cの会社です。「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」というミッションを持って、主食となるもの、つまりパンや麺を代替できるものをご用意し、それさえ食べればサプリメントなどを摂取しなくても体にとって必要な栄養を手軽に摂ることができるという世界を実現するようなサービスをしています。

もともとは、代表が自宅で粉を混ぜながら作っていたところから始まって、クラウドファンディングで注目を集めたのが2016年ごろ。その規模がだんだんと広がっていき、Amazonや楽天市場などで販売を始めたところから、最終的には自社でECサイトを開発し、サブスクリプション購入の仕組みをご提供するところまできました。現在はそのサブスク購入がメインになっています。

また、昨年からはコンビニやドラッグストアなどの小売店でも取り扱ってもらい、お客様に手にとっていただけるようになりました。

ーー煙草森様はいつ頃ベースフード様に入社されたのでしょうか?

2020年の1月に、一人目のエンジニアとして入社しました。私が入社する少し前のタイミングで、ECサイトは展開していましたが、それまではECモールのようなサードパーティのサイトに出店していて、そこに課題がある状態でした。サードパーティへの出店だと、お客様との距離があるんですよね。お客様の声がダイレクトに届かない、お客様がサイト内でどう動いているか分からない、アンケートを取りたい時に取れない、われわれからプッシュ型のメッセージをお届けすることができない・・・など。

新商品のお知らせをお届けしたかったり、こういう商品やサービスがほしい、こういう摂り方をしているといったお客様のことをもっと深く知りたかったりと、やりたいことはたくさんあったんです。そこで自社でウェブサイトを作って、どんどんお客様が求めるサービスを提供していく、というフェーズでした。

それだけではなくもっと広い意味でも、食品の開発ってレガシーのところが大きいんですよね。生産管理や開発、配送・・・そうしたところって、非常にテクノロジーが入る余地があるんです。そして少人数でスケールさせるためにはテクノロジーの力を活用するべき早くから自社にエンジニアチームを持つべきという考えがありました。

エンジニア採用がうまくいかず、シューマツワーカーに問い合わせたきっかけ

ーーエンジニアの採用活動は当初から順調だったのでしょうか?

いえ、エンジニア採用はずっと苦労しています。会社全体だと、知名度が向上するに従って採用はうまくいくようになってきています。食品開発メインの会社なので、食品会社さんに向けてはリーチできていて、新しいことに挑戦したいという方がどんどん入ってきてくださって。

一方で、食品会社だという見え方が強まってしまい、社内にエンジニアがいると見られないことで、エンジニア採用で苦労しているんです。エンジニアが活躍できる、システムで事業の根幹を支えるということを考えている会社だということを、もっと知っていただきたいなと思っています。

ーーシューマツワーカーにお声がけいただいたきっかけはなんだったのでしょうか。

私は DeNA出身なのですが、そのOB繋がりで、現在ビビッドガーデンのエンジニア採用・組織づくりをしている平野さんとランチしていた時に、「エンジニア採用がうまくいってない」という話をしたんです。その時に、「選択肢はいろいろあるけど、うちではこんなサービスを使っているよ」と紹介してもらったのが、シューマツワーカーでした。

(ビビッドガーデン 平野様のインタビュー記事はこちら↓
プロダクト開発チームは2年間で10倍!急成長「食べチョク」のビビッドガーデンが採用する組織戦略とは?|イベントレポート

ーー最初に副業人材活用の話を聞いて、感じたことはありましたか。

私自身が副業エンジニアの採用に関わった経験がなかったので、当時は選択肢ごとの特徴をイメージできていませんでした。なので、自分がエンジニアとして副業するとしたら、ということを想像して、「充分に時間を確保できるのかな」ということは思いました。

実際に稼働が始まってからの感想としては、もちろん人によるのですが、だいたいのケースで稼働時間を確保して安定的に働いていただいています。

ーー副業人材と働いてみた感想は、他にもありましたか。

優秀な人が多いんだろうなと想像していたんですが、そこは想像通りでした。

意外だったところは、コミットメントが高い人が多いことです。任せられたところしかやりません、ということではなく、どういう理由でこれをやるんだろうと考えて、提案してくれる方など。どうせやるなら、ということでしっかりやってくださる方が多くて。

副業メンバーとは、任せる業務のアウトプットイメージをしっかりと共有する

ーーでは、エンジニアの組織や開発体制と、その中での副業メンバーの役割について伺いたいと思います。まず、エンジニアチームの担っておられる役割とチームについて教えていただけますでしょうか。

現在、会社全体だと社員数は80名を超えましたが、その中でエンジニアチームは6名です。将来的には生産管理や配送のところまでITの力で改善していきたいと考えていますが、現在の役割はウェブサイトの開発運用と、社内の情報システム、データ分析基盤の構築、新規アプリの開発です。これからまずは、業務効率化のようなところにも着手していく予定です。

チーム体制としては、新規アプリ2名、情シス2名、基盤1名、ウェブサイト全般とシステム全般を見ているのが私、という役割分担になっています。今の私のポジションとしては、一般的にはCTOにあたるのですが、ベースフードの場合はCTOは食品開発の技術面でのポジションになるんです。VPoE(Vice President of Engineering)として、IT全般を見ています。

ーー開発体制はどのようにされていますか。

基本的に自走力の高い人たちが多く、大上段のところで目標を握って、それを達成するための方法は本人たちで考える、というようなケースが多いですね。

たとえばウェブサイト開発は運用に乗っていて、事業計画を達成するための施策をマーケティングメンバーと一緒に考えて、どこのページに何を表示してどのような機能を作っていくのかを、基本的にはマーケメンバー主導で決めて、企画化していきます。その後にデザイナーも含めて画像やパーツ、レイアウトなどどういうものを作るかを決めていき、エンジニアが作業し、項目を並べて検証してリリースする、という流れです。

ーーそれでは、副業メンバーの役割や働き方について教えてください。

だいたい私がマネジメントしていく形で、ウェブサイトのチームに入ってもらうことが多いです。アプリケーションの実装が主で、インフラの実装をお任せした方もいました。

マーケチームと企画を立ち上げて、こういうものを作りたいというところまで決め、作るものがブレないように私から副業メンバーに伝えて、アウトプットいただいたものをレビューしてリリースする、という流れで進めます。

内容としては、例えば、お客様がこういう条件で購入した時にいくらのポイントを付与する、といったロジックが記載されている仕様書と、それらをイメージするためのデザインファイルがあるのですが、その仕様通りにアプリケーションコードを書いていただく、というものです。

こういうスケジュールで動いている中で、副業メンバーの誰々さんにはこういう動きを担っていただきます、ということをオンボーディング時にお伝えしています。その中で、目的をしっかりと理解して、「レビューの戻りがあったけどこの日付までに間に合わせた方がいいですよね」ということを業務上で修正してくれたり。そういった動き方をしてくれることもあって、副業メンバーには助かっています

ーー副業メンバーとうまくやっていくための工夫などはありますか。

副業エンジニアに限らないのですが、オンボーディングの時期、入ってきたばかりの頃って、「聞けばすぐにわかる」ことでつまづいて、手が止まってしまうことがあると思うんです。なるべくそれを回避できるように、初期は特に、頻度高く確認し合う時間を作っています。最初は週次で互いに時間を作って、折を見て、少しずつ間隔を伸ばしていったり。対面だけでなく、わからなかったらすぐに聞いてもらえるように、チャットツールで聞き合うなども気をつけています。

業務の渡し方では、タスクを切り出してお願いするにあたっては、誰が見ても同じものが出てくるという明瞭さで依頼することを心がけています。解釈がいくつもあるような渡し方では、想定と違う仕様が実装されてくる可能性もあります。。

なので、作るものに関しては丁寧に、「このページにこれが表示される」といった絵コンテのようなものをFigmaで作って共有します。それから背景を文言でまとめた仕様書も共有します。仕様書には、こういう背景があってこういう対策を取ろうとしていて、こういうロジックで進めているといった内容をまとめています。

何を作ればよいかわからず、誤った仕様で実装してしまうというミスは仕様書がしっかり作られていればなくせますし、具体的な見た目の部分についても、実装後のものを一緒に見ながら「絵コンテと同じ見た目になってないよね」ということがお互いに確認できます。その2点を丁寧に作り込むことで、ずれがないようにしています。

ーー背景とアウトプットイメージをしっかり渡していかれるんですね。

人材要件が曖昧な段階から相談できる。シューマツワーカーを活用するメリット

ーー今後についてもお伺いしたいです。副業人材を今後はどのように活用していかれるでしょうか。

ビジョン・ミッションに共感してくれて、一緒にうまく働ける、といった方にはぜひ正社員になってほしいという気持ちがあって、やがて正社員になってくれる方が副業でご一緒する中で見つかるといいなという気持ちはあります。

ですが、事業の成長のスピードが非常に早い今、副業人材の活用は、このスピードを停滞させることなく事業フェーズの変化を支えていくという意味あいの方が大きいです。

理想としては正社員メンバーで組織を作りたいという気持ちが強いんです。ノウハウを社内に蓄積していけますし、文脈を把握した上で業務を進められると思うからです。ただ、そうはいっても、良い人材の正社員採用には時間がかかりますその時差を埋める一つの選択肢として、副業人材の活用はとても有効だと思っています。

あともう一つとしては、今後、尖ったスキルや経験が必要になったときや、その瞬間だけ必要となるような特殊な課題に対して、副業人材の活用を考えています。例えば特定のドメインの知識について深い知識を持っている方に、スポットでアドバイスを頂きたいような場合などです。

ーーベースフード様のエンジニアチームでは、ずっとシューマツワーカーをご利用いただいていますが、シューマツワーカーならではと感じるメリットなどはありますか。

シューマツワーカーだと、カジュアルに相談に乗ってもらえることはありがたいです。募集したい人材の要件が定まり切っていない段階で、「もっと長時間一緒に働ける人を探したいです」とか「もっとフリーランス寄りの方もいますか」といったリクエストで適切に募集要件にまとめて紹介してもらえます。

カジュアルにいろんな話ができて、それに対してできるだけのことをしてくれるというのは、それが最終的に契約に繋がるかどうかは別として、とても助かるところです。

自分の頭で考え、進めていける裁量が魅力。ベースフードのエンジニア組織で活躍する人材とは

ーー最後に、ベースフード様では、どのような人材が活躍しやすいでしょうか?

ベースフードにはいくつかのバリューがあるんですが、おもしろいなと思っているのが「起業家精神をもとう」という行動指針です。

ベースフードは株式会社ですし、投資家・株主に対して、事業計画を提示し、現状を説明し、ということを経営者がやっているわけです。同じことをメンバーと代表の間でもやれるようにしようじゃないか、という話なんです。つまり従業員は賃金という意味で投資を受けている。それに対してパフォーマンスを出して、成果を出していく。

つまり、「やるべきことを主体的に考えて、実際に行動に移していく」という行動がとても重要だということです。メンバーに裁量がある中で、「業界に対してインパクトを出して世界を変えていく」「健康を当たり前にする」というのを目指して一人一人が自分の頭で考え、動いていく。それができる組織を作りたいと考えています。

エンジニアとして入るとしても、言われたものをただ漫然と作るという姿勢ではなくて、目的を考え、目的を達成するためにどういうものがあるべきなのかを考えて自分から動ける人。そういう人が評価される組織ですし、そういう志向の方には居心地の良い環境だと思います。

ーー自走できる方ですね。

そうですね。しかしながら、主体的に動ける方、動いていきたい方って、絶対数として少ないと感じていて、採用の難易度はやはり高いです。

でも、最近やり始めてうまくいったことで、発見もありました。ベースフードのお客様には、エンジニアの方も多いんですが、そういう方に対して採用情報をご提示するという方法です。

購入者のマイページで「採用活動しています!」というお知らせを出したら応募があったり、ロイヤルユーザーの方を対象としたイベントで、アンケート欄に「エンジニアの人材を募集しています。ご興味のある方はいませんか」という問いを設けて、お答えいただいた方を対象にイベントを開催したら、たくさんの方にお話を聞いていただけたりしました。

そもそもベースフードのことが好きで、継続して買っていただいている方なので、ビジョン・ミッションへの共感も深い。そういう方が来てくださる場所として、光明が見えた施策ではありました。

今後も、副業人材の活用でスピード感を保ちつつ、たくさんのエンジニアと出会って、ベースフードで食品業界を革新していくエンジニアチームを作っていきたいと思っています。

※1 食で、栄養素等表示基準値に基づき、他の食事で過剰摂取が懸念される、脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除いて、すべての栄養素で 1 日分の基準値の 1/3 以上を含む。

ベースフード様のエンジニア募集情報はこちら
https://hrmos.co/pages/basefood/jobs?category=1695733638063869952

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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