組織と事業のボトルネックは、副業人材の活用で解消!T2D3成長をめざすスタートアップの戦略|CrossBorder株式会社様

「営業」を、より深いデータ分析に基づいて、科学的に成果に結びつけていく「セールスインテリジェンス」。国内でこの領域に特化して、サービスリリースからわずか1年でPMFを達成、1年で100社以上に導入され、シリーズAラウンドの資金調達をクローズさせたCrossBorder株式会社様

正社員・役員が5名、業務委託メンバーが45名という組織で、どのように事業成長のスピードを維持しながら、組織をマネジメントしているのか。今回は代表取締役 CEO 小笠原羽恭様にお話を伺いました。

この記事はインタビュー後編です。前編はこちら

1年間で10倍に成長した組織。実は創業者は全員が、「副業」経験者

ーー創業から資金調達やサービスローンチを経て、組織にはどういった変化がありましたか?

2022年3月のリリース当初は4名の組織でしたが、6月から業務委託の方にも入ってきていただき、9月にはシューマツワーカー経由でもフリーランスや副業の方に入っていただくようになりました。そして今は、合計50名くらいのメンバーがいます。1年間で10倍になりました。

組織的には、ビジネスサイドと開発サイドが分かれていて、ビジネスサイドには、マーケティング、セールス、PR、カスタマーサクセス、そしてバックオフィスなどの部門ができ始めている状況です。人数比率は、ビジネスが5、開発4、コーポレート1くらいです。

ーー最初に業務委託をされたのは、どういう職種ですか。

そもそも当社は、4人の創業メンバー全員が、創業当時「副業」で働いていました。それでも開発速度は速かったですし、営業活動もうまくいっていたので、フルタイムで働くことにこだわるという発想があまりなかったのです。業務委託でスキルフルな人がいる方が、フルタイムで標準的な人がいるよりも、スピード感を持って事業を進められるという実感を持っていました。

そのため、この1年間、業務委託メンバーを中心に組織を構築していくことになりました。

その中で、シューマツワーカーについては経営者同士のつながりで知り、魅力的な人材がいそうだと感じてお願いすることにしました。特にそのとき困っていたのがマーケター人材でした。マーケターの方が決まり、その後もデザイナーなど職種を広げながら人材のご相談を続けています。

ーー創業メンバーが「副業」という体制でスタートされたというのは、創業から現在に至るスピード感を見ると少し驚きもあります。代表の小笠原様も副業での起業だったんでしょうか?

はい、私自身もシードの資金調達を始める前までは副業でした。週末や平日夜にこちらの仕事をして、という感じで。シードで資金調達を目指すことになって、フルタイムでの働き方に切り替えました。そのあと順次、他の3人もフルタイムになっていきました。

ーー今50名の規模で、どれくらいの割合で業務委託メンバーがいますか。

現在は、50人中、業務委託メンバーは45人。創業メンバー(役員)4名と社員1名以外は全員業務委託メンバーですね。しかも、4月までにそこから正社員になる予定の方が6-7人。一気に組織も変わっていきますね。

副業メンバーの受け入れ初期のつまずきと、克服できた2つの工夫

ーーシューマツワーカーのサービスを知って、どのような印象を抱かれましたか。

副業人材サービスの中で先行して事業をしている会社なので、ノウハウがあることを感じました。どういう企業出身でどういうスキルを持つ方が、人材データベースに登録しているかが重要だと思うのですが、マーケターなどの人材のレベルも、他のサービスから受けた提案よりも高いという印象を持ちました。

ーー実際に副業メンバーと組織をつくって稼働していくにあたっての工夫や、コツなどはあるでしょうか。

実は、副業メンバーとうまくいっていなかった時期がありました。当社は経営メンバーもプレイヤーとして動いているフェーズなので、マネジメントに時間を割けなくて業務委託の人が10〜20人増えたタイミングで、「フォローできていない人がいるな」という状態になっていました。

振り返ると、コミュニケーションがもっと必要だったと思いますし、自分たちが進んでいる方向性も伝えきれていなかった気がします。

Slackコミュニケーションに慣れていない方もいました。フルリモートで働いていくにあたって、Slackに慣れていないと自分からの発信が難しい場合もあります。業務で不明なことやつまづいていることを検知できませんでした。業務が進んでいないメンバーが出てくるという課題が顕在化して、ようやくその実態に気づいたんです。

一方で、それが解決しないと今後の成長が鈍化してしまうという危機感もありました。早急に対応しなくては、と思って、2つの対応をいたしました。

一つは情報の可視化。もう一つはメンバーの不安のケア。

情報の可視化は、Notionに全社のページを作り、各チームのページを作成して、メンバー表、タスク表、議事録とを掲載していくのに加えて、各チームが何を目指しているのかが見えるようにしました。さらに、全社の階層には、経営方針、ビジョン・ミッション・バリューなど会社が目指していることを掲載して、組織が目指している方向と現状を可視化していきました。

そうすることにより、誰が何をやっているか、どのチームがどんなミッションのもとに存在して進めているのかが、説明をしなくても理解してもらえるようになりました。それによって徐々に解決し始めています。

二つ目の、メンバーを不安にさせないことについては、「業務がうまく進まない」「何をすればいいかわからない」というのがメンバーにとって不安になる大きな要因になると思います。それを防ぐために、できるだけタスクを細分化して、明確にして渡すとか、方針をしっかりすり合わせをする、といったことを工夫すること。そして密にコミュニケーションをとること。それと、誰がリーダーなのかを明確にすることも気をつけています。リモートで業務委託という環境は特に、どういうことを誰に相談していいのかわからなかったり、そもそも相談しづらかったりということが起こりがちですから。

ーー誰がリーダーなのか、というのはどういうことでしょうか。

各メンバーが困ったときに、誰に相談すれば良いのかを明確にするということです。当たり前のことではあるんですが。

というのも、当社は創業時からフラットで、パズル型の組織になっていました。業務委託メンバーが増えてからも、しばらくは変わらず”ちょっと大きめの”パズル型の組織だったんです。すると、誰が何に責任を持っていて、何をしていて、というのを理解することが難しかったんです。

これは、階層化していくタイミングなのかもしれないと考え、組織を整えていきました。現状としては、権限委譲という観点だとまだまだのところもありますが、どのような内容がどのメンバーから意思決定を求められるか、というところまでは整理できてきました。チームごとにミッションや目標を策定することによって、メンバー自身の裁量も広がりつつあります。

ーーそうした組織上の変革までとなると、遂行するのに難しい部分もあるのではないでしょうか。

一般には難しいところかもしれませんが、弊社は事業成長のスピードが速かったために、もうそこに手をつけなければ忙しすぎて回らない、という状態にまで迫られていたんです。むしろ自然に、みんなが自走していくうちにこうなってきた、という言い方が正しいかもしれません・・・。

ーーそれもすごいですね! 

「挑戦」「感謝」今は自然にできていることを、カルチャーとして根付かせたい

ーー組織の中で大切にされているカルチャーやバリューなどありますか。

CrossBorderは、「既存の枠組みを超えた挑戦ができる世界を創る」というミッションを持っています。社名のCrossBorderというのも、まさにその意味です。枠組みを超えていく、という想いを込めています。

具体的には、営業の領域では、こうやってやるのが当たり前だーーそんな既存の考えや思考にとらわれずに、どうやったら最速で売り上げを伸ばしていけるのかを考える。データを活用したり、与えられた選択肢から外れた選択肢を使ってみたり。柔軟性を持って取り組んでいくという姿勢そのものを社名に込めているんです。

バリュー(行動指針)は「挑戦をする!」がまず一つ。やっていいのかどうか躊躇するんではなく、まず行動してみる。一度やって失敗したら終わりでもなくて、結果が出るところまでやり切る。そうしたことを重視していますし、メンバーもそうした姿勢で取り組んでいます。

あと「感謝を伝える」というのが、当社で自然とカルチャー化している習慣です。例えばちょっとしたことでも、何か手伝ってもらったとき。なぜかわからないんですが、みんなお互いに感謝を伝え合う習慣を持っています。そのおかげで組織に活気が生まれます。

ーー副業メンバーにも、こうしたことは伝えていたりされるのでしょうか?

明確にお伝えはしていないんですが、自然とできている人が多いです。当社がそういう環境だから、そうした行動が自然になっていくのかなと思っています。

「挑戦する」「感謝を伝える」というカルチャーはとても良いものだと思っていて、今はそれが自然に組織に根付いていることに感謝しています。その一方で、この文化が100名、200名の規模になっても継続するように、私としては努力していかないといけないなと考えています。

副業メンバーが入ることで、事業や組織のボトルネックが解消される

ーーシューマツワーカーから7名の副業メンバーが入っていますが、副業メンバーが入ったことでの成果はどのようなものあるでしょうか。

副業マーケターの方が入られてからの進歩は大きいです。もともと当社にはマーケティング経験者がおらず、私が未経験ながらやっていました。施策としてはFacebook広告とリスティング広告、セミナーなどをやっていましたが、マーケティング全体としてどういった施策が選択肢としてあるのかはわかっていない状態でした。

それに、全て未経験で一人でやる、というのも大変でした。マーケティング施策は細かい作業も多いですし時間がかかります。それに、結果の分析も土地勘がありません。指標を見たとしてもどう改善すればいいのかすぐにはわかりません。

そんな中、副業マーケターのメンバーが入ってくれ、マーケティング領域としてどういう施策があるのかが見えるようになってきて、ディスカッションの幅が広がり、施策のカバー範囲が広がりました。壁打ちできる副業メンバーが入ってくれたこと、手を動かして施策を前進させてくれる副業メンバーが入ってくれたこと。それによってCrossBorderのマーケティングの活動がかなり推進されました。

ーー他の職種でも副業人材を活用されていますね。

バックオフィスにも副業メンバーに入ってもらいました。以前はバックオフィスのBPO会社に任せて安心していたのですが、スピード感が当社に追いつかなくなってしまいました。昨年の夏くらいから、半年以上、バックオフィスがバタバタして困っていました。副業メンバーが入ってくれることになり、落ち着きはじめて大変助かっています。

その他にも、副業デザイナーの方にも入ってもらいました。私がデザインできることもあって、デザイン業務も私が担当していたんです。ところが業務が忙しくなり、デザインがボトルネックになって進まないということが頻出しはじめて。そこで副業の人材を募集することにして、シューマツワーカーにお声がけしました。そして、質の高いデザインをすぐに出してくれる方をアサインしてもらうことができました。

副業人材が入ってくれることによって、各フェーズのボトルネックが解消されました。

T2D3で成長することを目指して。

ーー御社の今後の成長や展開についてお伺いできますでしょうか。

事業をスタートアップの成長指標と言われる「T2D3*」の成長曲線で伸ばしていきたい、と思っています。

*「T2D3」とは
有名VCのNeeraj Agrawal氏が提唱した、ユニコーン企業に成長したスタートアップに共通する成長曲線の特徴。「Triple, Triple, Double, Double, Double」といわれ、売上が前年比で3倍、3倍、2倍、2倍、2倍と成長する。

事業領域としては、興味関心データ(インテントデータ)を活用したセールス・マーケティングの領域でパイオニアとして市場を開拓して、新しい仕組みをご提供していきたいと考えています。その後はセールスとマーケティングのハブとなるような存在を目指していきたいと思っています。そのためには、セールス組織とマーケティング組織がそれぞれに成果を上げつつ、連携できるような仕組みが必要です。

組織については、ある程度のことはチームのリーダーが意思決定して投資していけるような形にしていきたいと思っています。最初の共同創業者4人については、経営チームとしてより強固なチームに成長していくことを目指しています。マネジメントも大きなテーマとなっています。

後編をお読みいただきありがとうございます!前編はこちら

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