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元船乗りエンジニアの日常を豊かにした“フルリモート”という働き方
「気づいたら日常の幸福度が、日に日に増していた!」船員からのジョブチェンジをし、システムエンジニアとして独立。現在、佐賀県の自宅で3社のフルリモート案件を手掛ける遠藤さんは、満面の笑みでそうお話ししてくださいました。苦悩する時代を経て、今の豊かな日常をどのように築いていったのでしょう…
2020.04.09
2024.08.30
企業名 | :株式会社プラムザ |
インタビューに答えてくださった方 | :専務取締役・PRIME ORDER事業部長 内藤 洋史 様 |
業種・業界 | :IT・ソフトウェア受託開発 |
従業員数 | :9名 |
副業人材の職種 | :エンジニア |
Contents
ー まずは事業について教えていただけますでしょうか。
1998年創業のITシステム会社です。Webアプリケーションを主軸とするシステム開発をしています。クライアント企業のために専門のエンジニアチームを組み、クライアントと開発企業で同じ方向を向いて、強力な推進力を発揮しつつシステム開発を行う「国内ラボ型開発」という形での受託開発が主事業です。
その中で、私の事業部では「PRIME ORDER」というサービスを提供しています。これは技術者派遣といった形ではなく、あくまでお客様のプロジェクトを自分たちの事業・プロジェクトとして開発するという、強いオーナーシップを持ったサービスです。そうした姿勢が評価され、ほとんどのお客様が単発の注文ではなく、継続的にご契約いただいています。
創業からかなり早い段階からアジャイル開発を進めているのが私たちの特徴です。
システム開発は、「上流から下流へ」という、設計書をベースとした建設業界などと似たプロセスでの開発が一般的でした。私たちの場合は「動くものを作りながらお客様と議論して開発する」というアジャイル開発の方法をとっています。また、5年ほど前からは、エンジニアがクライアントの組織や文化、事業を深く理解し、自らのアイデアや懸念事項を持ち込みながら進めるという、「エンジニア駆動開発」を確立しました。
ー 内藤様の役割について教えてください。
私はプラムザ全体では専務取締役を、PRIME ORDER事業においては事業部長を担当しています。PRIME ORDERでは、特に開発現場の統括も担当していまして、自社独特の呼び方なのですが、「プロジェクトオーガナイザー」という役割を任されています。
一般の用語では「プロジェクトマネージャー」と言われることが多いと思いますが、「プロジェクトオーガナイザー」は、プロジェクトを進めるにあたって生じる様々な課題(予算、人員、計画など)を管理するのではなくて、整理していく役割です。
管理/マネジメントという言葉は難しい言葉です。大切なことである一方で、管理される側のモチベーションや気持ちを、削いでしまう言葉でもあるからです。また、スキルも経験もある優秀なメンバーに対しては、管理する/マネジメントするというのは適切ではないのではないか、そのように考えるに至り、僕たちはマネジメントという言葉をやめました。
課題があったらそれを整理して、チームメンバーがよりプロジェクトをゴールに向けて進めやすくするための役割。それを「プロジェクトオーガナイザー」と呼んでいます。
ー 業務委託メンバーとの関わりはいかがですか?
プラムザには業務委託メンバーが多くて、50名ほどが携わってくれています。PRIME ORDER事業だけでも10名ほどいて、私も業務委託メンバーや、副業メンバーと一緒に働いています。
組織内はプロジェクトごとにチームに分かれています。どのチームにも「プロジェクトオーガナイザー」がいて、リードエンジニア1名、「プロジェクトサクセス」という、プロジェクト内に落ちているボールを拾ってアクションできるメンバーがいます。業務委託メンバーはエンジニア、プロジェクトサクセスとして各チームに入っていただいています。
ー PRIME ORDER事業部は業務委託メンバーが多い組織構成になっておられますね。業務委託メンバーが多いのは、意図的なのでしょうか。経緯やきっかけなど教えていただけますか?
実ははじめから意図していたというわけではなくて、あるエンジニアの方の採用がきっかけだったんです。その方は正社員採用としてオファーをお出ししたのですが、家庭の都合で稼働時間を柔軟にしたいということで、業務委託契約を希望されたんです。2017年ごろだと思います。
その方は今もPRIME ORDERで活躍している、優秀なメンバーです。そしてその方の働きぶりがきっかけで、弊社ではエンジニアの正社員採用をやめました。業務委託として働くメンバーが持つプロ意識の高さを知って、業務委託の方を中心としたエンジニアチームづくりへと、方針を切り替えたんです。
ー シューマツワーカーにお声がけいただいたのもそのころですか。
はい、そうです。シューマツワーカーからはこれまで、4名の方を紹介してもらいました。3名がエンジニア、1名がマーケターです。2名のエンジニアの方が、今も稼働してくれています。
ー 業務委託や副業メンバーとして入るエンジニアに、求めているものは何ですか?
ものづくりをワクワクして楽しめるという資質を大事にしています。
私はエンジニアとしてこの業界で働いて25年経つのですが、技術の入れ替わりのスピードを実感するのと同時に、実は業界内で、“古い技術”をアップデートしないでクライアントの受託開発を続けているエンジニアが多いことも感じるんです。
でも私たちとしては、エンジニアとしてより良いもの、新しいものをしっかり身につけていきたいという意欲を持っているエンジニアを評価したいですし、そうした姿勢でクライアントに価値を提供したいんです。ですから、どんどん新しいことをやっていきたいという意欲を重視します。
その一方で、コミュニケーションがとても得意で、顧客のことを自分ごととして捉え、タスク管理も情報整理も完璧にできるというスーパーマンならば、PRIME ORDERに入る必要はないと思うんです。PRIME ORDERに入ることではじめて120%価値を発揮できる、そんな方を求めています。
ー シューマツワーカーから入っているのは「副業」として働くメンバーですね。副業メンバーの、どのようなところを評価していますか?
まず技術力が確かであるということです。本業があり、そちらでも日々研鑽を積んでいる方たちなので、非常に技術力は高いです。
また、副業メンバーは「本業があって副業もやろうと思っている」方たちです。プライベートな時間もお仕事に回すくらい、意欲的な方が多いと思います。フリーランスの方との違いはその辺りに感じることが多いです。場合によっては、「本業で使っている技術が少し古くなったので、PRIME ORDERで新しい技術を吸収したい」というほど意欲的な方との出会いもありました。
さらに、「本業ではこのようにしています」というふうに、異なるスタイルを持ち込んでくれたり、知見を共有してくれたりするのも、企業にとってありがたいことだと思います。
ー 副業メンバーが入って、チームとしてはどのような変化がありましたか?
チームビルディングの質が高まったと思います。具体的には、2つの側面で、業務を進めるためのコミュニケーションの質が上がりました。
一つは、ミーティングです。エンジニアはものづくりに向き合う中で、様々なアイデアを持っています。そのアイデアをしっかりと引き出すためにも、オンラインであっても、顔を見ながらのミーティングというのは重要なんです。表情を見ながら話をすることで、エンジニアが引っかかる点や、こうすればいいといった改善のアイデアをもらえることも多いんです。週に一度程度、顔を見合わせて業務について話す時間を作る、ということが確立したのは開発プロセスに良い影響を与えてくれています。
もう一つはSlackやGitHubなど、テキストコミュニケーションの質が上がったことです。副業メンバーは本業もありますから、週の初めに作業依頼を受けても、実際に作業をするのは週末になるといったこともあります。そういうときにもメンバーが困らないよう、手が止まらないよう、可能な限りテキストで業務内容を記載するようになりました。業務についてはテキスト情報を見れば進めることができる状態をつくるというのがお互いにできたのは、チームとしても良いことでした。
ー シューマツワーカーでよかったのはどのような点でしょうか?
シューマツワーカーの良さは、業務委託メンバーの採用の大変さを、楽にしてくれ、時間を短縮してくれる面に特に強く感じています。
PRIME ORDERでは、他の媒体でエンジニアを募集した場合に、40名くらい応募いただいて、1人採用が決まるというような確率です。それは結構な労力だと思います。
定量的に考えるならば、一人当たり半日程度かけていると計算すると、40人の方を検討するだけで、20日間程度かかる計算です。その上に、採用要件をまとめ、様々な媒体に情報を出していくといった作業も必要なので、1人の方に出会うまでに、人事メンバーの時間と労力を、「2ヶ月分」費やすことが必要なんです。
その2ヶ月間をかけていた労力を、シューマツワーカーにはまるっと任せることができます。また、紹介してもらえるスピードも早い。
ー シューマツワーカーは、どういう会社におすすめでしょうか?
シューマツワーカーは、スキルだけでなくマインドも求める私たちのような企業にとって最適だと思います。アジャイル開発で、エンジニアの創意工夫を尊重したい会社にはぜひオススメです。
また、エンジニアだけでなく、マーケターを探している企業にもオススメです。
シューマツワーカー経由で来てくれたマーケターは、「自分ごと」として捉えて業務にあたってくれる向き合い方が非常によかったです。ときには私たちも気づいていないような強みを言語化してくれたり、コンセプトを掘り起こしてくれたりと、その方がいなければ今のPRIME ORDERの中核ができていなかったのではないかというほどに、高い貢献をしてくれました。