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優秀なPdMが長期的に参画してくれる秘訣「成長できる環境」づくりとは?|株式会社and.d CEO深澤氏 登壇イベントレポート後編
2023年4月19日に行われたオンラインセミナー「副業人材だけでプロダクト開発ができる!? 〜正社員0名チームでの開発プロジェクトの裏側〜」のイベントレポートの後編です。
2023.09.28
2023.07.05
「ビジュアルマーケティングプラットフォーム」として、デジタルマーケティングにおけるクリエイティブ素材の活用を、誰でも簡単にできるツールをご提供されている株式会社visumo(ビジュモ)様。2017年にサービスを開始し、700社近い企業に導入され、ECサイトやスマートフォンアプリなどでのコンテンツ提供の場を支えています。
今回のインタビューは、事業の創業者でもある、代表取締役社長 井上純様に伺いました。海外展示会で出会ったvisumoのアイデアの元となったサービスとの出会い、組織づくりで直面したプロフェッショナル人材採用の難しさ、今後の展望など、幅広く伺いました!
Contents
ー 現在、組織は従業員数約30名、外部人材を合わせると約40名と伺いました。その中で、シューマツワーカー経由での、”副業人材”の力も活用されていますね。
井上 エンジニアやデザイナーといった専門人材の採用は本当に難しいという現実に直面したことが、シューマツワーカーに問い合わせたきっかけでした。
ー シューマツワーカーはどのように知りましたか?
井上 シューマツワーカーを知ったきっかけは、マーケティング担当者が情報収集しているときに検索して、私に教えてくれました。私はそれまで、知らなかったんです。
それまで、業務委託やフリーランスといえば、スキルマッチング型で依頼するフリーランス人材のイメージが強かったんですが、過去の経験上、あまりうまくいかない印象を持っていました。マッチングの難しさがあると思うんです。こちらから仕事のオーダーをして、様々な方が応募してくださるのは良いのですが、自社でうまく精査できなかったり、精査しようとして手間や時間がすごくかかってしまったりしました。
ー そういうご経験があったんですね。
井上 でもシューマツワーカーは、そういったスキルマッチング型のサービスとは異なり、私たちのニーズも汲み取った上で、適切な人材を選んでくれるという、エージェント機能も果たしてくれます。
同じ「マッチング」というカテゴリでありながら、話を聞いてみて全然ちがうなと思いました。「これはいいかも」と思った理由でした。
そこから、実際に良いマッチングをしてもらえるかどうかは、つないでくださる担当者のスキルと、シューマツワーカーの人材データベース次第です。運やタイミングもあるかもしれませんが、「とにかく一度やってみよう」と思いました。
ー 最初にご依頼いただいたのはデザイナーです。最初にデザイナーだった理由はありますか?
井上 最初は業務が切り出しやすくて試しやすい、デザイナーの方を募集しました。エンジニアの募集もしたいんですが、アジャイルスタイルでやっている開発チームに、フルタイムではない副業人材に入ってもらうのはどうすればいいのか、わからなかったんです。アジャイルで開発していると、それぞれが必要なタスクを取っていくスタイルですから、スポットで業務を切り出すというのがやりづらいんじゃないかと思ったんです。
ー そうだったんですね。今稼働している副業デザイナーは、もうすぐ1年になりますね。
井上 長期間、安定的にご一緒できる方と出会えて良かったです。
実は、シューマツワーカーから入っていただいたデザイナーさんは2人いたんですよね。そのお2人のうち、デザインセンスやコミュニケーションがより合うデザイナーさんが、結局長く残ってもらえています。でもこれも、副業ならではなのかなと思っています。
というのも、正社員採用ではこういうわけにはいきません。その人材と会社が本当にマッチするかどうか、「働いてみて判断する」ということはできませんし、いわんや「複数の方に働いてみてもらう」、なんてことはできませんよね。
でも副業人材だからこそ、「働いてみる」が可能になり、そこから長くお付き合いしていくかどうか、お互いに判断することができるんだと思います。
ー 確かに、お互いにマッチするかどうか働いてみて見極めることができるというのは、副業人材と働くメリットかもしれないです。
井上 それから、もう一つ副業人材と働くメリットだと感じたことがあります。
弊社のように事業成長中でフェーズが変わりやすい企業では、デザイナーを正社員採用しても、安定的に社内でデザイン業務が発生するのかどうか、見通しが立ちにくいんです。仕事をつくることはできますが、仕事をつくれるディレクション人材自体がまだ少ないスタートアップでは、それも難しいし、リスクになります。
そんなときに、プロジェクト単位や、業務の発生に応じて、業務を細分化しながら長く付き合っていける副業人材の存在は、メリットがあると思っています。
ー なるほど、業務量に応じて業務依頼ができるというのも、副業人材のメリットを感じるポイントなんですね。
井上 そして、「長く付き合う」ことも大切なことだと考えています。長く一緒にお仕事していれば、事業領域への理解、会社への理解、好みの理解も深まり、阿吽の呼吸というように、やりやすくなっていくと実感しています。
ー 副業人材のメリットを感じていただきながら、副業メンバーがサービス開発に貢献できていて嬉しいです。それでは、サービスについても詳しく教えていただけますか。
井上 visumo(ビジュモ)は、写真や動画のビジュアルデータを、事業者が簡単に有効活用できるような仕組みをご提供しています。「ビジュアルマーケティングプラットフォーム」と呼んでいます。
ー 「ビジュアルマーケティングプラットフォーム」、どういったものなのでしょうか?
井上 説明しますね。事業者がブランディングをするとき、あるいは新しい商品やサービスがリリースしたときなど、マーケティング活動を展開するにあたって、様々なクリエイティブの素材(アセット)が生み出されていきますよね。バナーの素材や、動画、写真など。マーケティングを展開するにつれて、クリエイティブの素材、資産がどんどん増えていく。
また、社内で制作する以外にも、SNSでブランドを取り巻く消費者やアンバサダーの方が投稿する画像や動画も、日々の投稿を積み重ねていきますと相当な量になっていきます。
そうして、良いクリエイティブアセットはどんどん増える一方で、事業者がクリエイティブを活用するのにはいくつかの壁があります。一つはマーケティング部門・店舗・ECサイトなどの部門間をまたいだ活用。もう一つはSNS上に上げられた多くの投稿素材を収集し、選別、ECサイト上で適切に商品と紐付けながら見せていくという、システムやサービスをまたいだ活用。
ー 御社のvisumoを利用すると、そのようないくつもの壁を超えた活用ができるんですね。具体的に利用されるシーンも教えていただけますか。
井上 「visumo social(ソーシャル)」という機能をご紹介しますね。これはInstagramで投稿された写真を、このツールを使って集めてきて、各社のコンテンツに活用できるというものです。
例えば、某大手アパレルブランドのサイトに行ってみますと、Instagramで購入者やお店のスタッフさんが、そのブランドの服を着ている写真を#(ハッシュタグ)をつけて投稿したものが集められている、ギャラリーコンテンツがあります。これは、実はvisumoの「visumo social」機能を活用しているものなんです。
この画像コーナーでは、アップされた写真に対して、商品を紐付けて紹介することができ、新しいコンテンツによりサイトの回遊性が増します。逆に商品詳細ページでも、これらの画像を、コーディネート例として見せていくことができ、購入検討しているユーザーにとって役立つコンテンツになるんです。それを、自動的に実現できます。
こうした画像素材の活用は、Instagramの一般のお客様ももちろんですが、アンバサダーマーケティングをしている場合には、その効果を高めます。
Instagramだけではなく、「visumo video(ビデオ)」という機能では、YoutubeやInstaLive等の動画を集めたコンテンツづくりもできます。自社スタッフがライブコマースで接客した動画やYoutuberさんによって商品を紹介された動画を、アパレルブランド自身のサイト上でも見せていく。
消費者はブランド自身からの発信だけではなく、多様な発信者の情報に触れることができるようになっていきます。
これまで事業者が、自社商品のことを一方通行で消費者に向けて伝えてきたのが、コンテンツの作り方もソーシャル性が高まってきて、いろいろな方のアップしたコンテンツを活用することで、双方向でブランドを育てていくという方向に変わってきているんです。
社内外、各所で生み出されるクリエイティブのアセットを、余すところなく活用していけるというのが、visumoのサービスなんです。
ー とても活用の場面が思い浮かびました! ちなみにこちらのサービスですが、裏側はどういう仕組みになっているんですか?
井上 管理画面で、SNSのハッシュタグ検索ができるようになっていて、様々な投稿の中から、自社サイト上で表示したいものを選んで、写真に対して商品を紐付ける操作や、サイト上のどこに掲載するかを選択するといったことを、管理画面上で行っていただきます。
クリエイティブを集めるところから、Webサイト上に掲載するところまで、管理画面で一気に行うことができます。動画や、スタッフの投稿も同様です。一元的に管理画面で管理し、操作することができるんです。
ー 先ほどの操作が全て管理画面で完結するのが、「ビジュアルマーケティングプラットフォーム」なのですね。
ー 現在、「visumo」の導入企業はどれくらいですか?
井上 5年足らずですが、600社を超え、まもなく700社以上の企業様に弊社のツールをご採用いただいています。
ー 2017年にサービスを開始されて、現在700社近い企業に導入されているというのは、急成長ですね。この成長を支えている組織の成り立ちや体制を教えていただけますか。
井上 visumoはもともと、株式会社ソフトクリエイトホールディングスという、東証プライム市場に上場している企業グループの、株式会社ecbeing(イーシービーイング)の新規事業として出発しました。ecbeingは、20年以上、日本のECサイトを構築するシステムの提供、運用の支援、制作、広告など幅広く行ってきました。私もecbeingの出身です。
2017年にvisumoのサービスが立ち上がり、契約社数が増加して2019年に分社化、現在の株式会社visumoとなりました。
ー ecbeing様での立ち上げ当初は、どういったメンバー構成でしたか。
井上 社員は私と新卒の営業メンバー、開発メンバーの3名でした。
ー 現在はチーム構成はどうなっていますか。
井上 今では、社員数は30名まで増えました。
SaaSを提供しているということもあり、いわゆる「ザ・モデル」式の組織作りを進めています。具体的には、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、サポート、開発部門、それぞれに組織化していっています。
特にこの1〜2年でそういった組織化が進んできています。人数としては、ビジネスサイドが1/3、開発部門が1/3、バックオフィスで1/3程度です。ですが、シューマツワーカーも含め、外部パートナーも含めると40名くらいになります。外部パートナーはほぼエンジニアやデザイナーです。
ー 組織の成長としては、特にこの1〜2年での変化が大きいんですね。
井上 はい。2019年〜2020年ごろまでは、まだ10人程度の組織だったんです。そこからの2年程度で20名近く増えたことになります。もともとの母体であったecbeingからも少しずつ独立していっていまして、昨年からは採用活動も独自で行うようになりました。
ー そうすると、この1〜2年でのメンバー数の増加もvisumo様単独で採用活動を進めながら、組織づくりも進めてこられているんですか。
井上 はい、そうですね。これからもまだまだ、組織を成長させていきたいと考えています。
ー 井上様はecbeing社在籍時に、visumo様のサービスを立ち上げられているんですよね。そもそもサービスを立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか。
井上 ecbeing在籍時は、ECサイト構築案件の営業や、売上向上のためのコンサルティングなど、幅広い業務に携わりました。ですが5〜6年経ったころに、何か新しいチャレンジがしたいなと思い始めたんです。
そんなタイミングで、海外の展示会に赴く機会がありました。eコマースやデジタルマーケティングのグローバルソリューションや事例をインプットして、新たに日本展開する部門の配属になって。今から6〜7年前のことです。
そのとき、海外の展示会で出会ったのが、今のvisumoのモデルとなるような海外のサービスでした。
先ほど紹介した「visumo social」の仕組み、つまりInstagramに投稿された写真を自社のサイトに掲載できる仕組みは、当時グローバルブランドで取り組みが始まっていたタイミングでした。例えばナイキやアディダス、クロックスなど。UGC(User Generated Content)マーケティングといったりします。ユーザーがつくったコンテンツを活用するマーケティングの手法です。
そのマーケティング手法を支援している海外の企業に、展示会で出会ったんです。
その仕組みを日本で展開する交渉をしてみたのですが、海外サービスは非常に高額なんです。月額利用料が、数百万円以上と、日本の感覚とは桁が違いました。もちろん国内にも大企業はたくさんありますが、それでも高すぎると感じました。お客様とお話ししても、ニーズはあることはわかるんですが、なにしろ価格がネックになって売れません。
そこで考えてみると、ecbeingはそもそもシステム構築ができる会社ですから、オーナーにも相談し自社でやってみたらどうだろうかという考えに至りました。そして生まれたのが、「visumo social」の原型だったんです。
ー なるほど。独立されてからのvisumo様の採用活動についても、お伺いしたいです。採用の方針はどのようなものですか。
井上 この2〜3年で事業フェーズが変わり、組織の拡大をしていくべきフェーズになったことで、考え方が変わってきたところなんです。2〜3年前までは、即戦力人材を採用市場で採用していく、というのが基本方針でした。ミドル層からトップ層まで。それは初期のスタートアップの定石でもあります。
ですが、組織を拡大させるために採用人数も増える中で、即戦力となるプロフェッショナル人材の採用の難しさという現実に直面しているんです。特にエンジニアや技術系の方たちは、条件の良い企業、スケールの大きな企業も競合企業となり、採用市場で勝つのがなかなか難しい領域です。
そうして採用活動を続けていく中で、即戦力人材だけを求めていると、いつまでたっても採用につながらない、ということがわかりました。
そこで現在は、若手人材を採用して中長期的に育成しながら、活躍していってもらうという方針に、少し変化してきました。もちろん弊社のカルチャーにマッチし、入社の意思を持ってくれるような即戦力人材と出会えれば、ぜひ入っていただきたいという気持ちは変わりませんが、ポテンシャル採用を始めたのが大きな変化です。
そしてその中で、外部人材の力を借りるというのも増えてきました。シューマツワーカー経由で副業デザイナーさんと長く働かせてもらっているのも、その方針転換の一つの結果なんです。
ー 組織拡大のペースは、維持される予定ですか。
井上 事業成長とともに、組織は成長していかなくてはと思っています。エンジニアは優先度が高いですし、顧客も増えているのでカスタマーサクセスなどのメンバーも募集しています。副業人材のメリットも感じているので、引き続き組織で活用していきたいです。
実は、今のvisumoの組織の特徴として、社員の半数は20代、ビジネスサイドは半数近くが女性なんです。ということは、これからライフステージが変化していくメンバーも増えていくはずですから、そうしたこともしっかりとサポートし、フォローできる組織体制にしていきたいと思っています。その意味でも組織づくりは大事だなと思っていますね。
ー そうなんですね。若手ポテンシャル人材の採用が増えたということですが、御社は、どういった若手の方が合う環境だと思われますか。
井上 意欲があって、裁量を求めている若手の方には、visumoという場は合いやすいようです。身近なECサイトやSNSを活用したサービスに関わることの楽しさ、SaaSというビジネスモデルのおもしろさ、成長していく事業に携わることで得られる成長機会の大きさ。できること、学べることが多いので、意欲のある人にとっては魅力的な環境だと思います。
ー 最後に、visumo様の今後の展望について教えていただきたいと思います。まず、何度も触れていただきましたが、副業人材の活用や採用活動について、教えてください。
井上 正社員採用は引き続き、ベースとして頑張っていきたいと思っています。ですが、正社員採用では採用しきれない人材との出会いや、最短でのリソースの確保という面で、副業人材や業務委託人材の活用も積極的にしていきたいと思っています。
一点、課題も認識しています。それは、業務委託の方や副業人材の方に対するディレクションができる人材が少ないことです。これを増やしていくことも、自社の課題だと思っています。副業人材の活用にはもっとポテンシャルがあることを感じていて、それを活用しきれるような体制をつくるというのも、今後の課題だと考えているんです。
ー 今後の事業や組織の展望はどのように考えておられるでしょうか。
井上 visumoの事業は、まだまだ発展途上です。つくりたいプロダクトの3〜4割しかできていないんです。サービスをより良いものにしていく、という動きは今後も数年は続いていくだろうと考えています。
それと同時に、ご提供するお客様も、これからもっと増やしていきたいと考えています。visumoのスケールの”桁”を変えていきたいんです。
ー ニーズもある中で、成長を続けていかれるんでしょうね。
井上 事業成長という意味でもそうですが、visumoの展開は、社会的な課題の解決にもつながると思っています。
visumoは「誰でも簡単に写真や動画を活用できるようにする」というのをビジョンに置いているんです。この「誰でも」というのが、今後の日本社会ではとても重要な役割になっていくと思っています。visumoはデジタルでできることの広がるマーケティングプラットフォームですが、プログラミングのスキルがなくても、簡単に写真を集めてきて管理し活用できるシステムです。
今、日本は”DX”の促進やIT人材の不足、IT教育の不足などたくさんの社会的な課題がある中で、一方で人口は多い国ではありますし、シルバー人材やママさん人材など、活用しきれていない労働力はたくさんある社会でもあります。そういった方々に対し、デジタルの知識がなくても、ツールを渡していくことでデジタルに寄与できる文脈がつくれていくと考えているんです。
visumoを使えば、デジタルマーケティングをやっていくことの可能性がぐっと広がるはずなんです。visumoが広がることで、社会のデジタル化に貢献できるという思いで、事業を大きくしていきたいと思っています。
それとともに、やはり組織も成長していきたいです。組織の成長においては、これからの時代が、正社員採用だけで欲しい人材を採用できる時代ではないな、というのを感じていて。スペシャリストが増えていく時代において、スキルをシェアしながら副業人材や業務委託人材をしっかりと組み合わせて体制をつくっていくことが、大切になっていくのかなと思っています。
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visumo 様のお話をヒントに、
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最後までお読みいただきありがとうございました。