「副業・兼業」を取り巻く現状とは。企業の取り組み事例もご紹介

近年、多様な働き方を尊重し、社員のニーズに応えるための取り組みが進み、副業・兼業が広く認められるようになってきました。この動きには、個人が新たな人脈を築き、自己成長やキャリア形成を追求するための機会を提供したいと考える企業が増えてきたことが背景にあります。

トップダウンの指示のスピード感やボトムアップの声が重視される中、より自由な選択肢を持つことができる環境が求められています。副業・兼業の解禁によって、従業員の多様な能力や意欲を引き出し、一層の生産性や満足度向上を図ることが期待されていると言えます。

今回は、企業で副業や兼業の解禁に拍車がかかってきた理由や、副業や兼業に取り組み成功している企業4社についてご紹介します。

副業や兼業が解禁となった理由


副業や兼業が解禁された理由は、労働環境の変化と働き方の多様化によるものです。従来の9-to-5のフルタイムの雇用形態が主流であった時代とは異なり、現代の労働者は柔軟性と選択肢を求めています。

副業や兼業ができるようになって、個人のスキルや趣味を生かした副業を選ぶことができ、収入の多角化やキャリアの発展が可能になりました。また、技術の進歩とインターネットの普及で、オンラインプラットフォームやギグエコノミーが拡大し、副業や兼業がより容易になったことも一因です。

副業や兼業の解禁は働く人の自己実現や経済的安定を促進し、労働市場の活性化や創造性の向上にも寄与すると期待されているのです。また、企業側にとっても、副業や兼業の解禁は従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上につながり、人材の獲得や定着にもプラスの影響をもたらすことができます。そのため、現代の働き方の変化と労働者のニーズに合わせて、副業や兼業の解禁が行われたのです。

副業や兼業の企業による捉え方の違い


副業や兼業に対する企業の捉え方は多様であり、企業ごとに異なるアプローチやポリシーが存在します。

副業や兼業を前向きに受け入れ、積極的に支援する姿勢を示す企業が増えてきています。副業を社員の成長や多様な経験の機会と捉えており、副業を通じて得たスキルや知識が本業にもプラスになると考えています。これらの企業は、社内での副業情報共有や副業先の紹介、副業を認める柔軟なポリシーの策定など、積極的な取り組みを行っています。

一方、副業や兼業をまだ慎重に捉えている一部の企業もあります。副業が本業への影響や負荷を引き起こす可能性があると懸念し、制約や制限を設けることがあります。

企業の捉え方の違いは、経営陣の考え方や企業文化、労働市場の動向などによっても影響を受けます。しかし、最近の傾向としては、多様な働き方や柔軟性を重視する声が高まっており、副業やボランティアなどの社外活動を通して、自分の好きなこと、もしくは得意なことのスキルを上げる活動が推進されています。定年後を考えたキャリア形成ができる可能性も期待された結果、副業を解禁する企業が増えているようです。

副業や兼業に対する企業の現状

企業の具体的な対応例としては、まず副業・兼業を明確に認める制度を整備することが挙げられます。これにより、社員が安心して副業に取り組むことができます。一部の企業では、社内ポータルやプラットフォームを通じて社員同士が副業の情報や提携先を共有し、助け合う仕組みを整えています。

副業・兼業の促進に向けて次々と整備が進む

近年では企業側が積極的に副業の提案や支援を行うケースが増えています。たとえば、社員のスキルや関心に合わせた副業先を紹介したり、副業を通じて得た知識や経験を本業にフィードバックする機会を提供するなど。これにより、社員が個人の成長やキャリアの幅が広げられることを期待しています。

また、企業が副業を推進する場合には、管理やコミュニケーションの面での課題にも取り組む必要があるでしょう。そのために副業による負荷やスケジュールの調整、本業とのバランスなどの課題に対して、適切なルールやガイドラインを設けることなどが進められています。

WIN-WINの関係が築ける副業・兼業

副業や兼業の解禁は、企業と社員の双方にとってポジティブな変化をもたらす可能性があります。社員は自己成長や収入増加の機会を得る一方で、企業は生産性や創造性の向上、社員のワーク・ライフ・バランスの向上、新たなアイデアや視点の導入など、まさにWIN-WINの関係が築ける期待が高まっているのです。

今では副業や兼業を推奨するカルチャーを醸成するため、社内のコラボレーションやイノベーションを促進するプロジェクトチームやクリエイティブな活動を積極的に推進している企業も出てきています。これにより、社員同士の交流や知識共有が促進され、新たなビジネスチャンスや成果を生み出すことが期待されているのです。

また、副業や兼業は多様な人材の採用や定着にも寄与します。人々のライフスタイルや価値観は多様化しており、柔軟な働き方を求める声も増えています。企業が副業を許容する姿勢を示すことで、優秀な人材を惹きつけ、社員のエンゲージメントやモチベーションの向上につながるでしょう。

つまり、副業や兼業の解禁は、企業にとって柔軟性と創造性を高める新たなチャンスであり、社員にとっては成長と満足感をもたらす重要な働き方選択肢であるということです。企業はこの変化を捉え、適切な対応策を検討することで、組織全体の活性化と持続可能な成長を期待しているのです。

実際に副業や兼業を解禁した事例4選

副業や兼業を率先して解禁している企業の多くは、柔軟な働き方を促進することで、従業員の多様な能力を活かし、仕事と個人の目標の両立を支援しています。これによって、従業員が自己成長を追求し、より充実した生活を送ることを狙いとしています。以下、代表的な例を4社ご紹介しますので、副業や兼業がもたらす効果などについて、ぜひ参考にしてください。

全日本空輸株式会社

全日本空輸株式会社では、労働者のスキル向上や個人のニーズに応えるために、副業・兼業を認めています。社員が希望する場合は、積極的に副業・兼業先を紹介するなど、副業管理モデルを導入。

この取り組みは、社員の間でさまざまな働き方の選択肢として受け入れられており、同時に他社で経験を積むこともキャリア形成の一部と考える社員も出てきているとのこと。副業は「ポートフォリオワーカー」として新たな生き方を追求する一環としても推進されていると言えるでしょう。

株式会社 SBI 新生銀行

SBI新生銀行では、働き方や自由な時間の使い方を多様にするために、副業・兼業を許可しています。実際に副業を行った人たちの中には、本業とは異なる大道芸人として活動し、それによって人々がどのように楽しめるかを判断できるようになったというユニークなエピソードもあるようです。

副業では、通常の仕事とは違った能力や考え方が求められるため、発想力やアイデアの幅が広がり、本業にもプラスになることがあります。副業は新たなチャレンジの機会であり、多くのメリットがあると言えるでしょう。

株式会社LIFULL

株式会社LIFULLでは、経営理念実現のための手段の一つとして副業・兼業を解禁しています。「キャリフル」は、LIFULLの社内兼業制度ですが、業務時間の10%を使用して、所属部署以外での仕事を経験できる制度。過去の募集事例としては「マーケティング」「テクノロジー」「新規事業開発」「コーポレート」などがあります。キャリフルでは、社外での兼業や社内異動よりもハードルが低いのがメリットで、まず挑戦してみようという社員がキャリフルを活用して副業にもチャレンジしています。

フリュー株式会社

フリュー株式会社では、副業・兼業に関しての社員からの相談が増えたことを受け、社員それぞれの状況を踏まえた上での副業・兼業を進めています。それを受けて副業も推進され、優秀な社外の人材の方がいると、それだけで社員のモチベーションアップにつながるとの声もあるくらいです。そのため、社員に対して、外の経験や知識をもたらしてくれる副業ワーカーはなくてはならない存在になっています。

まとめ

副業・兼業を解禁する目的の一つは、社員のスキルアップや経験積みを促すことです。実際に、副業をしている社員の中には生産性が向上した例もあります。

副業解禁にはさまざまなメリットがあり、企業と社員の両方に良い影響が生まれます。柔軟な働き方の選択肢が広がり、新たなスキルやアイデアの獲得が期待できます。副業はワーク・ライフ・バランスを促進し、社員のやる気や満足度も高める効果があります。だからこそ、副業解禁はポジティブな変化をもたらす重要な一歩なのです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

引用元:
https://www.keidanren.or.jp/policy/2021/090_jirei02.pdf
https://www.sbishinseibank-recruit.com/sbishinseibank/workstyle/workstyle02.html
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20220125/houkoku/04_jirei1.html
https://corp.lifull.com/n/nadb4006a8715
https://shuuumatu-worker.jp/journal/interview/furyu/

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