副業社員で新規事業チームの力を底上げ!「外注」ではなく「副業社員」を選ぶ理由

オムロン株式会社時代から時代を席巻するプリントシール機事業やゲームコンテンツなどを生み出し、近年完全子会社として独立したフリュー株式会社。2020年からは、副業社員を含めたチーム体制で新規事業の立ち上げにあたっています。そんなフリューの副業社員との半年間を、ピクトリンク事業部/新規事業開発部 シニアプロフェッショナル 盛岡様に伺いました。

(副業人材の活用業種:アプリエンジニア・バックエンドエンジニア・データアナリスト)

(会社業種/形態:大手企業・新規事業立ち上げ・総合エンターテイメント業界)

新規事業の開発者は、技術力に加えて「マインド」が重要

—— シューマツワーカーを導入した背景について教えてください。

きっかけは、新規事業の話が持ち上がったことでした。これまで大きなプロジェクトには社内の開発者をアサインしてきたのですが、今回は新規事業でまだ売り上げも立っていない状況で、社内のリソースを確保することが難しいなと思ったんですね。新規事業の担当社員を決めるとなると、現在の仕事を引き継ぐ人を見つけなければいけませんし、売上の立っていない全くの新規事業に正社員を採用するということも、急には難しいです。また、いくつか試したいものはあったものの、ずっとそこに張り付く必要はないという状況だったので、「まずは業務委託の方の力を借りて、小さく検証しながら種まきを進めていこう」と考えたんです。

フリューの社風には、「まずは小さくスタートする」というのがベースラインにあって、副業人材というのはその価値観に合っていたんですね。

元々、以前から業務委託で開発を手伝ってもらっている方は幾人かいたのですが、サービスをグロースさせるためには、もう一段階レベルの高い人材が必要だと思ったんですね。運用業務などの、いわゆる「普通の開発」の実行力が高いということと、「まだ仕様も決まっていない、新規で何か立ち上げる開発に対応できる人」というのはまた違うと思っており、今回はそういった人材を探していました。

——「新規事業の開発ができるような人材」というのは、どう定義されますか?

好奇心が高く、キャッチアップが速く、スキルも自分で伸ばしていくんだというマインドがある技術者ですね。選定の段階では、いろいろな事業者さんにご相談をしましたが、シューマツワーカーさんから、ちょうどうちのイメージにマッチしている人が紹介してもらえたので、これで行こうと決めました。今、来てもらっているAさんとか、ちょうど求めていたものにぴったりと合っていて。

「優秀な副業社員エンジニア」にもタイプは様々

—— 3名の副業社員の方をご紹介させていただいていますが、それぞれの副業社員への印象や、頼んでいる業務内容を教えていただけますか?

一人目のAさんは、先ほど言ったような、まさしく「新規事業むけの技術者」だという印象を受けていますね。一緒にお仕事をしていて素晴らしいなと思うのは、新しい技術への取り組み方です。たとえば、参画当時は「Google Cloud Platformはあまり使ってきていないのかな」という印象だったのですが、すぐにキャッチアップして使いこなし、GCPを活用してプロジェクトの中核的なところに機能追加をしてもらいました。また、リモートでも全く難しさを感じないほどコミュニケーションが取りやすい人だと感じるのも、やりやすさの理由です。もう半年ほどのおつきあいになりますが、今後もずっと継続してお願いをしたいなという方ですね。

二人目のBさんは、もう少し短期的なお願いで、ブラウザのサービスをアプリ化する案件を担当してもらっています。移植開発なので規模が大きくなりがちなところを、ターゲットを絞ってここの主要機能を作ろうという、新規事業の種まきのところに携わっていただいていたイメージですね。ご性格的には、Aさんが「相談しながら進めるのが得意」なタイプなのに対し、Bさんは「お任せして、牽引する」ような立場をお願いすることが向いている方だと感じています。アプリエンジニアとしてベテランの方なので、弊社の必ずしもアプリの企画経験が豊富ではない企画者に対して可能不可能の線引きに対しても率直な意見を出してくださり、それが設計をするにあたってのひとつの指針にもなりました。仕事はきっちり、「メリハリを効かせられる方」といったご印象でした。また、スケジュールに対して非常に柔軟で、こちら側の事情で突発的に発生するリリースのスケジュール変更に、毎回のように柔軟にご対応いただけたこともありがたかったですね。

データ分析に長けた副業社員の能力を生かすため、社内ポリシーの調整も

3人目のCさんは、新規事業のサービスの立ち上げにまつわるグロースに必要な工程のデータ分析をお願いしています。当初は「データまで任せられる業務委託なんているのか?!」と懐疑的なところもあったのですが、やはりCさんもスキルが高く、業務上でも非常に信頼できる方でしたので、参画後に弊社内のデータポリシーをうまく調整しつつ、お願いすることの枠を広げていきました。そこは、会社の基幹事業ではない新規事業ということもあり、調整がしやすい側面もあってのことでした。彼に合わせてルールを変えるにしても「社内での信頼」という実績がなければ通らなかったので、現場の評価が非常に高く、「この人にはもっとまかせたい」と、求める声があって、社内での役割が拡張していった流れでした。また、シューマツワーカーさんからの3人目の副業社員ということで、「シューマツワーカーさんだったら大丈夫だよ」という、社内での信頼貯金があったのも、追い風でした。

—— Cさんは、性格的にはどのようなご印象でしょうか?

「こういうデータが出てるんで、これをしたらどうですか?」などと積極的にご提案もしてくれていて、受け身ではなく、成果を出して、それを明確に評価されたいと思うタイプであるように感じています。ご面談時には、大学院卒で社会人年数が浅いところが若干の懸念点だったのですが、仕事をしてみたところ、データ分析に関しては社会人歴以上に経験があり、コミュニケーション能力が高くて、良い意味で懸念点は完璧に払拭されたという印象です。

作業で手一杯を脱することで、社員が取り組む仕事が次のレベルへ

—— 副業人材を登用してよかったなと感じる点などはありますか?

新規事業の立ち上げでリソース確保が難しいフェーズにおいて、必要な分だけリソースの確保ができ、作業でいっぱいいっぱいの状態から抜け出すことができたことはすごく大きいです。たとえばGCPでの機能追加などをお願いしていたAさんは弊社社員とのペアで仕事を進めていただいたのですが、Aさんに任せられることで彼(社員)だけで抱えていた作業が分担できるようになり、「お任せし、進めてもらっているうちに考える」ことができるので、自社の社員を全体を見つつのポジションに引き上げることができたんです。そういった経験を彼(社員)に積ませることができるのも、しっかりと手を動かしてくれる副業人材の方がいてこそでした。

また、優秀な社外の人材の方がいると、社員のモチベーションも上がるんです。相性も大きいと思いますが、「飲み込みが早くて楽しい」という声を聞いたり、やりとりのなかで社内ナレッジがアップデートされるというか、フリューネイティブである社員同士のペアだと、持っている知識自体は似通っていることが多いので、それとは違う刺激を楽しんでいるようでした。フリューネイティブの社員に対して、外の経験や知識をもたらしてくれるという意味でも、貴重な存在だと思います。また、副業人材の方の視点で自社を見ることで、「あれ、これって、うちのいいところなんだ?」と、新たに自社文化のいいところの発見もあったりするようで、それもよかったですね。

「外注」ではなく「副業社員」がよかった理由

新規事業の開発は特にですが、外注のような形で依頼するよりも、チームの内側に来てくださる「副業社員」という存在とのコラボレーションで正解だったと感じています。先の見えきっていない新規事業の開発ということで、どれだけ気を遣っても共有事項にも抜け漏れがあったり、やってる途中で仕様も変わることもあるので、「先んじて完璧な要件定義をし、依頼をし、しばらくして報告をもらう」というスタイルだと、難しかったと感じる部分がとても大きいです。それに対して、週1なりで接点があって、軌道修正や追加情報を渡しながら進めていけるのが、副業人材とのチーム編成という形で良かったと思う点ですね。副業社員を導入した頃は、プロジェクトの進め方に関して実験的な要素があったのですが、今では組織の成長やサービスの成長に合わせて、「外部の方にスポットで仕事をお願いしてみよう!」など、社内で柔軟に話し合える風土ができています。

毎週のWebミーティングは必須・タスクの落とし込みは必ずそこで

—— 副業社員とはどのように仕事を進められているのでしょうか?

新規事業の開発ではありながらも、いきなり難しいことをお願いするのではなく、まずは小さなことからお仕事をお願いして、弊社の文化や仕事のやりとりに慣れてもらうことから始めています。副業としての働き方や弊社の環境に慣れていただけたところで、チーム内での課題を共有しながら中核となる仕事をお任せしています。今はコロナ禍もありみなさんとリモートワークでやりとりをしているのですが、リモートワーク自体は弊社には浸透しているので、マイナスな要素はなくお仕事ができていますね。ただ、リモートでも、毎週のオンラインミーティングはマストにしています。定時後でも良いので必ず30分なりの打ち合わせができる、そういう方にお願いをしています。またタスク共有のボールを落とし込むというか、タスクに対してコミュニケーションの起点となる段階では、必ずミーティングで双方向のコミュニケーションを取りながら落とし込むというのをやるようにしています。そういう、当たり前のようにやっていることが、ご活躍いただくためのノウハウなのかもしれませんね。

—— それだけ環境を整えていただけると、副業社員の方も力を発揮しやすいと思います!最後に、副業社員のお力以外でもシューマツワーカーにしてよかったな、と思えるような点があれば教えてください!

サービス導入後のフォローが手厚いところですね。人材をマッチングさせた後も定期的に利用状況や課題のヒアリングをしていただいたり、そのヒアリングを基にさらに弊社とマッチしている人をご紹介いただけるので、思い切って利用して良かったです。これからも状況に応じた副業社員の登用で、フリューの総合力をアップさせていきたいです!

(text by Rina Uehara)

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