株式会社POLは、「研究者の可能性を最大化するプラットフォームを創造する」をビジョンに掲げるLabTech(研究×Technology)企業。2016年9月に創業されました。
株式会社POL
https://pol.co.jp
現在メイン事業は二つあり、理系学生の就職支援サービス「LabBase」と産学連携を加速する研究者データベース「LabBase X」を展開。さらに、新規事業の立ち上げも積極的に進めています。
創業者の加茂氏による「お互いにハッピーであれば、業務形態はこだわらない」という考えから、創業当初から副業や業務委託を導入。シューマツワーカーの副業社員も積極的に採用しています。
副業社員をいかにしてうまくワークさせているのか、ご自身も副業経験のあるという、人事/広報責任者の渡辺晋次さんにお話を伺いました。
情報はフルオープンで「副業社員も仕事にのめり込める環境に」
――渡辺さん自身、POLさんには副業として携わっていたんですよね。
POLのビジョンに共感して、最初はほかの会社で正社員としてはたらきながら、無給のボランティアとして関わっていました。その後、副業として稼働し、途中で正式に入社することを決めました。
私自身も副業経験がありますし、代表の加茂も業務形態にはこだわりがなかったので、シューマツワーカーの副業社員という働き方にも共感しています。
――「雇用形態にこだわらない」という社風は、設立当初からですか?
そうですね。弊社が提唱しているのは、「働いている人たちにPOLのファンになってもらいたい」ということ。
設立してまだ3年ほどの会社ですが。社員が約50名に対し、副業の方をだいたい30〜35名ほど採用しています。さらに学生インターンは、全国に約50人在籍。POLでは雇用形態よりも、どういう関わり方が双方にとってハッピーなのかを重視しているんです。
よく知り合いの企業から「副業や業務委託の場合、情報や権限をどこまで共有していいのかわからない」という相談をされますが、弊社では雇用形態によって区別はせず、情報も権限もフルオープンに提供しています。
全開時にするのは正直、リスクがないわけではありません。しかし、僕も経験しているからわかるのですが、副業している立場から言うと、権限を制限されていたら、楽しくないんですよね。
フルオープンだからこそ、限られた時間の中で弊社の仕事にのめり込める。そこで初めて、お互いにハッピーな関係を築けると思うんです。
1ヶ月ごとの更新はスタートアップ企業にとってメリットしかない
――シューマツワーカーを知った背景を教えてください。
ビジネスマッチングアプリ「yenta」です。設立して半年後くらいに、弊社のエンジニアがシューマツワーカー代表の松村さんとマッチしてお茶をしたことがきっかけで、僕もサービス概要を知りました。
その頃には、他の人材サービスで採用した副業社員も働いており、副業人材をうまくワークさせるための仕組みが構築されていました。だから、シューマツワーカーの話を聞いてすぐに導入を検討。
シューマツワーカーを導入するメリットは、IT人材の副業に特化している点と1ヶ月ごとの更新という点だと思っています。特に後者は、1ヶ月間のパフォーマンスによって継続の有無を検討できるので、スタートアップ企業にとってはありがたいサービスですね。
――副業社員を採用する際に気をつけている点はありますか?
面談では、「今仕事は何をしているんですか?」、「これまでどのような仕事をしてきましたか?」、「今後、どのような業務をしていきたいですか?」という基本的なことも聞きますが、今までの意思決定ポイントも確認します。「なぜそのとき、そのような決断をしたんですか?」とかですね。
ただ、質問するというよりは、会話のラリーを重要視していますね。ラリーの返し方で、その人と気持ちよく働けるのかを見極めます。
――副業社員にはどのような業務をお願いしていましたか?
会社設立してからまだ半年で、人手が本当に足りないときにデザイナーを採用しました。正社員のデザイナーを採用するにはリードタイムが長いので、デザイナーの採用ができるまでがっつりコミットしてもらいましたね。プロダクトのデザインリニューアルは彼にフルでやってもらいました。
その他にエンジニアも採用しましたが、副業社員にお願いするのは、基本的に緊急度が高くないけど重要度が高い業務です。
副業社員は、自分の実力を試したいという意欲的な方が多く、ハイレベルでチャレンジングな仕事が好きなんですよね。だから、スキルを求められる“緊急度が高くないけど重要度の高い業務”をお願いすると、ワクワクしながら取り組んでくださいます。
我々としても既存業務があるなかで、重要度の高い新規事業の立ち上げや長期プロジェクトになかなかスピード感が出せないため、副業社員の方にだいぶ助けられています。
――副業社員のマネジメントは誰が担当しているんですか?
各部署に、副業社員のマネジメント担当がいるので、全社合わせると6〜7名います。指示を出すというよりは、“巻き込む”というイメージです。プロジェクトのOKR(目標管理)から一緒に考えてもらっています。
――最後に、シューマツワーカーに今後期待していることを教えてください。
副業を受け入れていない企業の場合、途中から新たな文化を根付かせるのは難しいですよね。確かに、リスクやデメリットがないわけではありません。なのでシューマツワーカーには、副業のマイナス面をいかに軽減しながら、関わる人たち全員が幸せになれるか、ノウハウを展開して発信していってほしいと思います。
(取材、文:橋本岬、写真:海老根里実)