-
副業社員を正社員採用できるのか?
副業で手伝ってもらいつつ、そのまま正社員としてジョインしてもらうという話はよく聞きます…
2020.07.04
2020.07.29
企業を成長させるうえでクライアントの新規開拓は欠かせない要素のひとつ。しかし、その重要性は理解しているものの、新規開拓に課題を抱える営業組織は少なくない。
「Saleshub(セールスハブ)」は、代表取締役の江田学さんが営業マン時代に苦しんだ経験より生まれた、新規開拓営業に特化した副業マッチングサービスである。新規開拓のアポイントを取りたい企業と副業営業マンをマッチングさせ、アポイントが設定されると謝礼が発生する仕組みだ。
(Saleshubのビジネスモデル)
今回は株式会社Saleshubの代表取締役である江田さんに、企業における副業営業マン活用の可能性について話を伺った。
(Saleshub代表取締役の江田学さん)
松村幸弥(以下、松村):Saleshubはシューマツワーカーでも利用させていただいていますが、改めてサービスについて教えてください。
江田学(以下、江田):ありがとうございます! このサービスは僕の原体験がきっかけで生まれました。前職では営業部長をしており、テレアポと飛び込み営業をずっとやっていたんですね。営業経験者の方であれば共感してもらえると思うのですが、これらの業務はものすごく辛くて(笑)。「100件電話して1件アポイントが取れたら良い方」という世界です。精神的にもつらいですし、効率もよくない。
当時の経験から営業の新規開拓における課題を解決したいと思い、このサービスを始めました。使い方としてはまず、企業側が「このような事業を行っています。こういう企業がいたら紹介してください」と投稿します。その投稿の事業内容やコンセプトに共感した副業営業マンが、自身の繋がりよりマッチする企業担当者を紹介。アポイントが設定されたら、企業からお礼として「ご協力金」が支払われるシステムです。
2017年にサービスを開始以降、企業は約2,000社、「サポーター」と呼ばれる営業マンは約1万9,000人に登録していただいています。
松村:2,000社はすごいですね! シューマツワーカーをはじめ副業マッチング系プラットフォームは「副業したい人は多いが、受け入れる企業側が足りていない」という課題を抱えていることが多いのですが、Saleshubさんの場合は企業側のニーズもかなり多いんですね。
江田:それほどに、営業の新規開拓に課題を持っている企業が多いのだと思います。
サービスローンチのプレスリリース文に、「テレアポや飛び込みとおさらば!」というキャッチコピーをつけました。特に広告を出していたわけではないのですが、プレスリリースを見たという約200社の企業からお問い合わせをいただいたんです。お問い合わせいただいた方々からも「テレアポがつらい」「飛び込み営業を少しでも減らしたい」という声を多くいただき、このサービスの需要を肌で強く感じました。
(事業に共感してくれるサポーターがクライアントを紹介する世界観を表す図)
松村:今後、Saleshubはどのような展開を考えているのでしょうか?
江田:「Saleshubに投稿したら、事業コンセプトに共感してくれるサポーターがどんどん新規クライアントを紹介してくれる」という世界を目指したいと考えています。
この世界観はクラウドファンディングを参考にしています。クラウドファンディングは、応援したい企業や事業にお金を支援することで支援先からリターンを受け取れるシステムですよね。
つまりクラウドファンディングがお金で支援するところを、Saleshubはアポイントで支援しています。なので企業にとってはサポーターからの共感を得るのが重要なのです。
松村:なるほど。クラウドファンディングのような世界観を目指していたのは意外でした。
江田:よく勘違いされるのですが、Saleshubはサポーターに対して高額なご協力金を設定すればたくさんクライアントを紹介してもらえるかというと、そうではないんです。「お金を支払ってるんだから紹介してよ!」というスタンスだとサポーター側も気持ちよく働けません。事業や担当者の方が魅力的で、サポーターに “是非とも知り合いに紹介したい” と思ってもらうことが大切なんです。
例えばある企業さんは、懇意にしているサポーターの方々を定期的に集めてランチ会を開催しています。そこで企業側が「こういう企業さんは知り合いにいませんか?」と直接相談してアポイントにつなげているそうです。
アポイントをつないでくれたサポーターに対して、感謝の気持ちを持って接することが大切です。以前、松村さんが「企業が副業社員を無下に扱うと、モチベーションが下がってうまくいかない」とおっしゃっていたかと思いますが、それはSaleshubも同じなんです。
松村:覚えていてくださりありがとうございます(笑)。すごく納得しました!
(シューマツワーカー代表・松村)
松村:サービスを開始して3年経ちますが、企業側の需要に変化はありましたか?
江田:当初からIT企業の登録が多く、今も4割ほど占めているのですが、ここ最近は非IT企業も増えています。BtoBであればどんな業種でも利用できるサービスなので、幅広く使っていただけるようになりました。
ある企業ではSaleshubだけで月に30件以上のアポイントを獲得されることもあるんです。
松村:紹介だけで月に30件以上のアポイントが生まれるのはすごいですね。
江田:事業内容とサポーターさんの得意な領域が被った時はより多くのご紹介が生まれる傾向にあります。
松村:働き方改革が追い風になり、Saleshubやシューマツワーカーのような外部人材を活用する企業が増えているのは僕も肌で感じます。ただ一方で、大手企業や地方の中小企業などはまだ外部人材に委託することに対してハードルが高いようにも思われますよね。
江田:やはり、副業社員や外部人材を企業が活用する際に “どのような業務を依頼したらいいかわからない” という課題があるのではないでしょうか。外部人材の方に任せたほうがいい業務と、正社員が行った方がいい業務の切り分け方がわからないという声はよく聞きます。
Saleshubの場合は、営業の中でも新規開拓に特化しています。サービスコンセプトの時点で外部人材に任せる業務を定義しているので、企業側も使いやすいのかなと思います。