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深刻な物価高に賃上げだけでは対抗できない?リスキリングとして注目される”副業”で収入もアップ
物価上昇が続き、社員を守るために企業は賃金を上げる動きを見せていますが、それだけでは従業員の経済的負担を完全にカバーすることはできていないのが実情では無いでしょうか?そんな中、収入をカバーすることができ、なおかつリスキリングにもつながる選択肢として「副業」が注目を集めています。
2023.06.16
2023.10.31
現在、副業が当たり前の時代になりつつある中、ふるさと副業という新しいスタイルが注目されていることをご存じでしょうか?ふるさと副業とは、都市部に住んでいる人が地元や思い出の地などで副業をする働き方のことをいいます。2019年からの「働き方改革」によって、副業が一気に世の中に広まりましたが、ふるさと副業の利点や魅力を知ることで選択肢がさらに広まるかもしれません。今回はふるさと副業について詳しくご紹介します。
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ふるさと副業とは、都市部に住んでいる人が地方の企業で副業をする働き方のことです。地方というのは、実際に生まれ育った地元だけでなく、思い出の土地や旅行した町などを幅広く指します。地方の企業では人材不足のほか、ITスキルや情報の不足に悩まされるケースがあります。地方ならではの悩みを持つ企業と都市部で働く人とがマッチングすることで、企業は人材やスキルといった不足する部分を副業できる人で補える、副業する人は本業を続けながら地方に貢献できるという構図が成り立つのです。ふるさと副業は大きく分けてオフラインとオンラインでの進め方があります。
オンラインは直接現地に出向かず、リモートやコミュニケーションツールを活用して地元の企業に参画します。直接の対面をしない進め方ですが、例えば、地元の特産品や工芸品をネットショップで販売したり、地域の観光情報を発信するウェブサイトやブログを運営したりすることで貢献できます。また、地元の農産物や加工品を通信販売する活動や、地域のイベントやツアーのオンライン企画・運営なども可能です。地元企業はIT人材不足に悩まされているケースが多いため、地元の企業にとってもオンラインでのふるさと副業はメリットとなります。
主要拠点は都市部におきながら、不定期で地元へ帰省したり、二拠点で活動したりする方法もあります。オンラインと比べて地元の人々と直接顔を合わせる機会があるため、空気を肌で感じることができます。現地での活動は、例えば地元の農家での農作業や、工芸品の制作、地域の観光案内など、地域の特産品や魅力を活かした内容が主な仕事です。また、地元のイベントや祭りに参加し、地域の人々とのつながりを深めることもできます。
副業が世の中に広まっている中、なぜ「ふるさと副業」が注目されているのでしょうか。「地方への興味・関心」と「好きな場所に住むための準備」、「リモートワークの定着」が考えられます。
始めにご紹介したように、ふるさと副業で働く企業は、実際に生まれ育った地元にある会社だけでなく、思い出の土地や旅行した町などにある会社など幅広い選択肢があります。そのため、独自の文化や伝統など、都市部では味わえない地方独特の魅力に触れた時に地方に貢献したいと感じるのかもしれません。あらゆることをきっかけに貢献したい地方に対して副業として携われることがふるさと副業の特徴ともいえます。
これまでの時代は、都市部に住んでいる人が地方企業で働くには、地方への移住が必要でした。しかし、移住には費用や家族の同意、子どもの転校など、気軽にできないさまざまなハードルがあります。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000140.000013597.html
後にご紹介しますが、現代はリモートワークが定着したことで物理的な距離があっても現在の環境を変えずに地方と関われます。このような理由からふるさと副業は注目を集めているのです。
中には、実際に移住することを目的としてふるさと副業をしているケースもあります。「今、住んでいる都市部での生活をすぐには変えられないけれど、将来的には移住したいから今のうちに地方と関わりを作ってできることをしておきたい」という方には特におすすめです。
など、将来好きな場所に住んでからのコミュニティ作りの種まきとしてもふるさと副業は活用できます。
昨今のコロナ禍によるリモートワークの推進で、会社に行かなくても自宅で仕事が進められる環境がここ数年で整備されてきました。それまでは自宅から通える範囲の企業に勤めて仕事を行うことが一般的でしたが、リモートワークの定着により、どこにいても仕事ができます。地理的な制約がない分、オンラインでも地元に貢献できるのです。
また、地方企業が抱えがちなIT人材の問題についても、リモートワークにより都市部の人材を採用できるメリットが生まれます。IT人材は全国的に不足していますが、人材が都市部に集中しやすいため都市部に比べて地方企業のIT人材の確保は困難です。
しかし、リモートワークが定着したことで採用活動の範囲が日本全国に一気に広がりました。多様な働き方でもっと色々な場所で働きたい副業人材と、これまでの採用活動では出会えなかった人材に出会いたいという企業の理想がマッチングしたことも、ふるさと副業が広まった理由の一つです。
地方圏の人口減少や高齢化に伴い、総務省は関係人口に注目しています。関係人口とは、移住した「定住人口」や、観光に来た「交流人口」とは違い、地域やそこに住む人々に関わる人々のことを指します。関係人口を増加させることで地方の担い手が増え、地域の活性化や企業の人不足を救います。
出典:https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/about/index.html
リモートワークにより、都市部に住み続けながら関係人口の一人としてふるさと副業をするのは、地方企業だけでなく地方圏全体に好影響をもたらすため、注目されているのです。
先ほど、地方移住はさまざまな理由から気軽にはできないことをご紹介しましたが、都市部に住みながらふるさと副業を行うことは多くの魅力を秘めています。
都市部は多様性や文化などのあらゆる分野の中心地です。さまざまな人が集まっているため多様性があり、多くの刺激を受けることができます。また、娯楽や食文化が数多く集まってくるため、最新のトレンドや情報もいち早くゲットできるのも利点の一つです。
さらに都市部はIT産業も発展しているため、最新の技術に触れながら働くことができます。このような環境で専門知識やスキルを身につけることができるのです。
都市部に住みながら地方で副業をするということは、都市部での経験を地方に還元できるという大きなメリットがあります。
ふるさと副業における地方の人との交流は新たな人間関係を築く機会になります。地域コミュニティや地元の企業・団体との関わりを深めることで、地域の人々との信頼関係が生まれます。交流を通じて、新たな人間関係やサポートシステムを構築することができると考えられるのです。
さらに、地方の人との交流は、地域の活性化や地域貢献にも繋がります。地域コミュニティや地元の企業・団体と協力しながら仕事をすることで、地域の課題やニーズを理解し、解決策を共に考えることができます。地域の活性化に貢献することで、人々と共に成長し、地域社会への関与感を高めることができます。
ふるさと副業は、都市部に住みながら地方のお仕事をお手伝いするスタイルであるため、基本的にコミュニケーションはリモートで行うことが一般的です。リモートでのコミュニケーションを円滑に行うことは、ふるさと副業を成功に導くポイントの一つです。
そして、ふるさと副業では仕事内容を把握することも重要なポイントとなります。いきなり高度なスキルが求められる訳ではなく、「基本的なところから教えてほしい」「一緒に課題を解決していきたい」といった、伴走者のような立場が求められます。
そのため、企業の人との円滑なコミュニケーションのほか、仕事内容を把握して企業が求めている視点からのアドバイスや協力をすることが成功の秘訣です。
ここまではふるさと副業をすることの利点や魅力をご紹介しましたが、受け入れ側である地方企業の成功例を見てみましょう。
岩手県のWeb制作会社、有限会社ライフアシスタンスカンパニー様は、地方企業ならではの悩みである、IT人材不足に悩まされていました。
ハローワークやエージェントなどのさまざまな媒体に求人を掲載しましたが、そもそも地方にはIT人材自体が都市部に比べて少ないことを実感されました。そこで、シューマツワーカーを利用して副業ができる人材を探したところ、地方企業で副業を希望するIT人材の確保を実現しました。副業のメンバーとはリモートを通じてコミュニケーションをとったり、知識共有会議という情報交換の時間を設けたりすることで、お互いが良い刺激を受けながらお仕事を円滑に進めているそうです。
地方企業にとっては、都市部とのITをはじめとする情報のギャップがあっても、ふるさと副業を希望する方の協力によって悩みを解消することができます。
参考:https://shuuumatu-worker.jp/journal/interview/lifeassistancecompany/
ふるさと副業にはさまざまな利点と魅力があることがわかりました。今の生活スタイルや本業を続けながら地方に関われるため、自分のスキルを生かしながら新たな経験やコミュニティを築くことができます。ふるさと副業は数ある副業スタイルの中でも、自己成長と地域貢献を同時に実現できる魅力あるスタイルといえます。