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副業社員活用が上手くいっている企業がやっていること
副業が解禁され、様々な企業で活動する副業社員の方も増えてきた一方で、まだまだ企業側と…
2020.07.04
2020.07.15
「副業元年」と言われている2018年の 1 月、厚生労働省よりモデル就業規則の改定案が公表されました。これを受けて、大企業から中小企業まで副業を解禁する企業が次々と現れており、すきま時間で副業をする副業社員は今後ますます増えていくと考えられています。
一方で、企業の「副業で働いてもらっている」という声はなかなか聞きません。自社の副業は解禁したもの者の、活用する側においては企業も正直この流れにどう乗ればいいのかわからない、というのが実情ではないでしょうか。
労働人口がこれから確実に減っていく中、いかに副業社員を活用できるかが企業としての生存戦略に大きく関り始めます。
この記事では、企業がなぜは副業社員を活用すべきなのかの理由を大きく3つに分けて話したいと思います。
日本の労働人口は少子高齢化が進むにつれ減少し、労働人口は2060年には2000年時点での約半分の4500万人を切ると言われています。昨今の採用市場では、各社がユニークな採用戦略や福利厚生制度を競い合い、採用メディアや採用コンサルティング業のニーズが高まっています。それでもなお、多くの企業が「人が足りていない」という課題を抱えています。現在の採用市場は、人材という希少資産の奪い合いでしかなく、完全なレッドオーシャンです。
一方で、企業間競争が激化する雇用の代替手段として、業務委託によるフリーランス(副業・兼業を含む)の活用に期待が寄せられています。実際に、会社のメンバーの半分以上はフリーランス・副業社員という外部人材で構成されているIT企業も都内中心に増えています。
インターネット、デジタルの波が押し寄せ、企業の事業のサイクルのスピードはどんどん早くなっています。例えば、10年前に携帯のメールが全部LINEのようなチャットツールにディスラプトされると言ったとして、誰が信じたでしょうか。それほどに社会の移り変わりは激しいにも関わらず、日本の雇用の在り方はここ2〜30年大きく変わっていません。
企業は新規事業を模索し、日々新しいスタートアップが生まれています。従来の正社員雇用のみでは求める採用のスピードに追い付きません。例えば新規事業を行う際、その分野での専門知識を持つ正社員(内部人材)は、確実に獲得できるかの懸念があります。もしうまく専門人材を正社員雇用することができたとしても、事業のピボット時や清算時の再配置に悩むケースも出てきます。
副業社員であれば外部の知見をスピード感を持って獲得することができ、ピボット時にも比較的柔軟に対応できることがメリットです。必要な時に必要な人材を必要な分だけ、確保できるようになります。
副業社員の活用は、自社の社員にとってもメリットがあります。普段から社内の人間と接することが多い自社の社員にとって、副業社員の方の知見やスキル、そして積極性は良い意味で刺激になります。また、上記でも触れましたが、今後イノベーションがどの企業にも求められるようになる中、異業種、異分野の方が持つ技術やアイデア、サービス、データ、知識などを社内のアセットと組み合わせることは、革新的なビジネスモデルを生み出す可能性を秘めています。
内閣府の成長戦略実行計画案にもこうあります。
「第4次産業革命の可能性を最大限引き出すためには、新たなベンチャー企業の創業支援を図るとともに、既存企業が人材・技術・資本の閉鎖的な自前主義、囲い込み型の組織運営を脱し、開放型、連携型の組織運営に移行する必要がある。」
イノベーションの観点からも、企業にとって積極的に副業社員を活用していくことが今後より重要性を増していくでしょう。