kintone(キントーン)対応できるエンジニアを探して。試してみた”副業人材”の活躍|iYell株式会社

住宅ローンテックベンチャーとして、創業7年目ながら、350名の従業員を擁するiYell(イエール)株式会社様

国内No.1の住宅事業者向け住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」をはじめ、不動産業界・金融業界そしてエンドユーザーである住宅購入者の利便性を高めるさまざまなサービスを展開しています。

今回は、「いえーる ダンドリ」事業部でシステム企画を担当する、サービスオペレーション責任者 初瀬弘一郎様にお話を伺いました。サイボウズの提供する基幹システムkintone(キントーン)の開発というピンポイントなお悩みを、どのように解決していったのか? ぜひ記事の中でご覧ください!

kintone(キントーン)エンジニアの採用に課題。副業人材に期待した理由とは?

ーーiYell様では副業メンバーとして、Kintoneエンジニアが活躍していますね。この副業メンバーの役割や、入った経緯を教えていただけるでしょうか。

当社ではサイボウズ社のkintoneを社内の業務管理システムとして使っています。kintoneは、SalesforceやWordPressなどと同じように、そのままでも使えますが、開発を加えたりプラグインを利用したりして、自社の業務に合わせて、さまざまなカスタマイズを施すことができるシステムです。

もともとは、社内メンバーがkintone担当として、既成のプラグインの繋ぎ込みだけで対応していました。コードを書くことができないメンバーだったので、言語を書くカスタマイズというのはしていませんでした。

ある程度はそれで問題ないのですが、社内でやりたいことが高度化していき、「より業務に合った・業務を効率化できる使い方をしたい」と思った時に、既成プラグインだけでは対応しきれなかったんです。

この高度化した部分に対応していくにはどうしたら良いか。初めは自分たちでやろうとしました。これに対応したスキルを持ったメンバーはいませんでしたから、エンジニアに1から勉強してもらうという選択肢が、まずはあります。

でも一方で思ったのが、このkintoneというサイボウズのシステム自体は、市販されている汎用的なシステムです。少し目線を上げて、他社にも視野を広げて考えれば必ず知見のある人材はいるはずだという発想に辿り着きました。

そこで、そういう人材を探すにはーーとなったわけですが、「そういう人材をどうやって探せば良いのか?」というのが、次に直面した問題でした。

ーー正社員採用も検討されましたか?

はい。いくつかの会社(エージェント)に相談したりもしましたが、やりたいことがピンポイントすぎて、人材探しが難航しました。なので、実際に採用活動の母集団形成というところにまで至りませんでしたね。

そこで、代表が仲の良かった方を通じて紹介していただいたのが、シューマツワーカーです。シューマツワーカーの話を聞いて、「副業人材ならもしかして・・・」と思って、話を聞いてみることにしたんです。

紹介を受けたタイミングが、Kintoneのプラグインでのカスタマイズに限界が見えてきた、まさにそのときで。なので、その場で具体的に、「Kintoneカスタマイズができるエンジニア人材はいるでしょうか」という相談をしました

ーーなるほど。副業人材ならもしかして、と思われたのはなぜだったのでしょうか?

副業人材ならば、他社での経験をしっかり持っている方が前提ですよね。それがまず、そのときに探していたピンポイントな知見を持った人材という条件に、合いやすいのではないかと思いました。

それからもう一つ。その時点でさまざまな選択肢を検討して、自分たちで自社にマッチする人材を見つけることが、いかに難しいかについてもわかっていました。その点、副業という働き方ならば、もしもiYellと残念ながらマッチしない方であったとしても、本業のある方なわけですから、その方自身の生活への影響が大きくありません。

私たちとしても、せっかく縁があって契約に至った方と、継続的に働くにしても、一時的に終わるにしても、お互いにハッピーな形でありたいと思うんです。ミスマッチの場合に無理に契約を長引かせるのもお互いに良いことではないですし、解約となったとしてもメンバーの生活の基盤がある方であるというのは、導入を決めるときには少し安心材料になりました。

ーーだからこそ、まずやってみよう、という意思決定ができたということですね。

当社では「社員ファースト」という理念を掲げているので、だからこそ、人材との出会いには慎重になる面もあります。

「何をするかより誰とするか」社員ファーストを貫く企業理念

ーー「社員ファースト」という企業理念があるのですね。そのほかで、iYell様の組織風土、カルチャーの特徴はありますか。

「何をするかより誰とするか」「社員ファースト」というのを文化形成の柱として経営が行われています。特に「Great Place to Work」という働きがいのある会社の表彰では、毎年表彰を受けています。これには創業2年目くらいから応募していて、2022年は中規模企業のランキングで6位、女性ランキング3位、アジア部門入選、シニアランキング入選と、評価されています。

これを一つの経営側からの指標としていて、社員の働きやすさや働きがいを向上させていくことを持続的にやっています。

社員に対しては働きやすさを大切に、楽しく働いてもらえることをとにかく考えるというのがiYellの社風です。それが自ずとメンバーのパフォーマンスの向上に繋がっています。

ーー7年目の成長スタートアップの中でも、350名の社員がおられる企業というのはそれほど多くないはずです。iYell様は組織的にはどういった構成になっているのでしょうか。

iYellは「住宅ローンテックベンチャー」と呼んでいるのですが、この領域では国内最大規模です。

会社として350人ですが、私が携わっている「いえーる ダンドリ」のサービス単体では、100名程度。これ以外では、いずれも不動産に関するいくつもの事業を展開しています。「いえーる ダンドリ」のエンジニアは10名ちょっとになると思います。そのほかに外部パートナーがいるという構成です。

ーー副業メンバーはその外部パートナーとして働いているのですね。

はい、シューマツワーカーからも、僕たちのパートナーとして一緒に働いてもらっています。外部パートナーといっても、当社のkintoneチームに入ってもらっているイメージです。

ーーその中で、初瀬様の役割を教えていただけますでしょうか。

「いえーる ダンドリ」の実際のサービスの流れとしては、不動産会社と家を購入されるお客様、そして私たちの3者でコミュニケーションをとりながら住宅ローンについて進めていきます。

私の担当は、「いえーる ダンドリ」のコミュニケーションを円滑にするためのアプリケーション(スマホアプリ)とウェブなどシステム周りの開発、社内のオペレーターが使う業務システムの企画です。業務システムの企画に関しては、企画後に、社内エンジニアや外部パートナー会社に開発を進めてもらうので、その仕様などについて、コミュニケーションをとりながらやっていきます。

視野を広げてくれた副業メンバーからの提案

ーー稼働が始まって、どのような成果や変化がありましたか?

kintoneの開発が明らかに進みました。ここは副業メンバーが入ってくれたことによる大きな変化であり、成果です。開発の柔軟性が上がって、スピーディーにやりたいことができる環境ができました

私自身もやりたいことができるようになりましたし、この業務システムを実際に業務の中で使っているメンバーからもポジティブなフィードバックが返ってきています。とてもありがたいです。

ーー想定通りの成果が出たのですね。

想定していたものができた、というのももちろんなのですが、想定以上だったことがあります。

稼働が始まった当初は、私たちとして「こんなことに困っているんです」という話と同時に、「こうやって解決するのが良いのではないか」と想定している解決策を、そのままお願いしていました。ですが、あるときに解決策がわからない課題に直面してしまったんです。kintoneでできるのかどうかもわからなくて。

そこで、副業メンバーには、「こんなことに困っていて、解決策はわからないんですけど・・・」と率直にお伝えしてみたのです。

副業メンバーは親身になって聞いて、考えてくれました。課題の背景を深掘りして、解決策の提示、実装の提案、と、現実に落とし込む作業まであっという間に導いてくれました。それが一つ、転機になりました。

「どうしたら良いかわからない」という状態で、「Kintoneではできないのかもしれない」と考えていたことに、副業メンバーが答えを教えてくれました。「これとこれを組み合わせれば実現できます」というふうに。

その時から、そういう形で相談することが増えて、開発スピードのギアが一段上がったと思います。

私自身もこの経験で視野が広がりました。できないかもしれないと思っていたことができた、という経験もそうですし、こんなふうに任せることで解が見つかる、提案してもらえるという気づきもありました。自分にない発想をもらえた経験でした。

ーーiYell様では副業人材を今後も活用していかれるのでしょうか。

iYellに入社してくれる人たちは、金融業界や不動産業界などの、周辺業界の方が多いんです。中途採用の方は特に、ご自分のキャリアの次のステップとして、過去の経験を生かしていきますという方が多い。それはiYellにとってありがたいことで、素晴らしいんですが、システムとしては使われているものですとか、使い方というのに偏りがあると思っています。

そんな中で、他社の事例、他業界の事例をこれほど深く持ってきてもらえるのは、副業人材ならではだと思いました。

今回のkintoneエンジニアのように、ピンポイントだけれど、世の中に同じ課題に直面する会社がたくさんあるはず、という課題に対して、解決スキル・経験のある副業人材に入ってもらうのは良いことなのではないかと思っています。

ーー先ほどの「視野が広がる」というお話と繋がりますね。シューマツワーカーに対して思われることはありますか。

副業人材の方をシューマツワーカー以外のサービスでご紹介いただいたことがないので、シューマツワーカーと他社を比べることはできないのですが、要望に対してスピーディーに柔軟に対応してもらえている、というのは感じます。

システム企画周りをやっているとはいえ、私自身は営業出身で、エンジニア専門のエージェントさんとお話するときには専門的すぎて困る場合があるのですが、シューマツワーカーの場合は、適切に解釈して適切に対応してもらえるのがありがたいです。

紹介してもらえる人材も、マッチしていると感じることが多いです。スピードも早いので、検討しやすいです。

「住宅ローンテックベンチャー」が解決する顧客課題とは

ーーiYell様は創業7年目で「住宅ローンテックベンチャー」と称されていますが、事業でどのような課題を解決されているのか、詳しく教えていただけませんか。

「住宅ローンテックベンチャー」というのは、住宅ローンをテクノロジーで使いやすくしていくことを目指している会社という意味です。

スタートアップの特徴としては、資金調達において、金融機関から出資を受けている割合が高いことです。いわゆるベンチャー企業の多くはベンチャーキャピタルから出資を受ける、シナジーのあるCVCから出資を受けるといったパターンが主ですが、私たちの場合は金融機関から、借入ではなく”出資”を受けているというのが大きな特徴です。

ーーなるほど。中核事業の「いえーる ダンドリ」についても教えていただけますか。

「いえーる ダンドリ」は、都心部では中古マンション・賃貸などの仲介業者様、建売の販売会社様、地方では、工務店・ハウスメーカー様向けの事業です。これらの住宅事業者さんたちは、住宅を購入する方たちに家を作ったり売ったりするのがお仕事です。

家を作ること、売ることは非常に高額なお金がかかります。購入する方が、その場で現金でお支払いします、ということになることは滅多になくて、多くは「買います」というところから、「お金はどうしよう」という展開になっていくんです。小売業などのような売買の形になることはほとんどないんですね。

そして「お金はどうしよう」の時点で登場するのが、金融機関です。

地域によっては、「こういうケースで借り入れをするならこの銀行しかない」というように、だいたいイメージが決まっているような地域もありますが、都市部になるほど金融機関の数も多いです。日本には全国で1,200くらいの金融機関があり、それぞれ金利が違っていたり、手数料が違っていたり、付帯保険の内容が違ったり特徴が異なるんです。

一方で、住宅事業者さんは「家を建てる」「家を売る」といったことに関してはプロフェッショナルで非常に詳しく、他社に比べてどのような強み・違いを打ち出していくかといった観点でもすぐれていらっしゃるのですが、住宅購入者が必要とする住宅ローンや金融機関については専門というわけではありません。

多数ある金融機関の中で、お客様に合った金融機関や住宅ローンをご紹介することは難しいことです。また、金融機関によって審査項目は複雑です。お客様にとってどういったものが適切か。よくよく調べればわかることではありますが、不動産会社がそこに本腰を入れるわけにもいかない中で、エンドユーザーである個人のお客様にとっては、さらに分かりにくい状況なんです。

この課題を不動産会社が自社で解決するとなると、①今いる営業人材を育成し、金融機関に精通させる、②金融機関出身者など、金融機関に精通した人材を採用する、という2つの解決策が思いつきますが、いずれも簡単ではありません。そこで、この課題を解決するのが私たちのサービスで、解決策に3つ目の選択肢をご提供しているんです。

私たちが提供しているサービスは、不動産会社のお客様に合った金融機関をご紹介するものなんです。住宅事業者、住宅購入者、金融機関という3者を適切に繋いで、この3者の課題を解決しています。

外部パートナーに任せる領域の切り分けと、セキュリティ整備のきっかけ

ーー初瀬様は創業1年目からのiYell様のメンバーでいらっしゃると伺いましたが、組織としてこの7年間で変化を感じる部分はありますか。

そうですね、組織の拡大と成長を感じることはあります。「いえーる ダンドリ」についていえば、私は立ち上げから携わっていますが、最初は4人でのスタートだったんです。そこから現在は100名規模になっていますから、部門もどんどん増えるというのもありますし、人数が増えたなとは感じます。

ただ、組織風土というか、「何をするかより誰とするか」「社員ファースト」といった理念の部分は一貫しています。その芯の部分が変わらないというのは、iYellの一つの特徴かもしれません。

ーー組織の人数も増える中で、システム開発においては、社内で進める部分と社外の外部パートナーに任せるもの、どういった切り分けをされているのでしょうか?

新しいシステムを作るという部分は外部の方にお任せします。ある程度、形になり、社内で運用できるようになったら徐々に社内で扱えるように内製化していきます。これとは別の軸として、社内の利用頻度でも基準を設けています。利用頻度が高いものは社内で運用・メンテナンスができるように社内でやっていきたいと考えています。

社内でスクラッチで作るものは社内でやるということもありますが、既存のシステムを使う場合はそのシステムに関する知見や経験が非常に重要になります。そういう場合には、逆に社外の方の力を借ります。具体的には、先ほどお話しした副業メンバーのkintoneカスタマイズが、それに該当します。

ーーこのkintoneエンジニアのケースが、初めての副業メンバーの参加だったのですよね。実際に副業メンバーが入ることになり、どのように稼働がスタートしたのでしょうか。

実は、決まってから稼働まで、少し間が空いてしまったんです。というのも、初めての副業メンバーということで、社内で整備しなくてはならないことがいくつか出てきて。

具体的にはセキュリティの問題です。これまでお願いしていた業務委託の方よりも重要な情報を扱うことになるので、社内の開発環境を整備する必要があるのではということになって。副業メンバーに対しては、出社してくださいとか、所定のPCを使ってくださいという指示もできないですし、一方で、ある程度は情報を出していかなくては、お任せしたいシステム開発ができません。

社内の情報を守るセキュリティの部分と、お任せしたい業務のための環境をどのように整理していくか。それに時間がかかり、間が空いてしまったんです。

ーー情報セキュリティの問題が浮上したのですね。結果としては、どのように対応されたのでしょうか。

開発環境と本番環境を整備しました。セキュリティの強化はずっと課題だったのですが、副業メンバーが入るというのが良い機会になり、既存の業務委託の方や、これから入られる方にも対応できるような開発環境を整備するきっかけになりました。

iYell様のお話をヒントに、

✔️本業で活躍しているレベルの優秀な副業人材を探したい

✔️自社の抱えている課題を解決できる経験を持った副業人材を探したい

という企業様は、ぜひお問合せ、ご相談ください(相談は無料です)。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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