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働き方が多様化する時代における“性格のいい会社”とは
ミライフで代表を務めている佐藤雄佑と申します。新卒ではベルシステム24へ入社しマーケ…
2019.08.01
2019.08.01
松村幸弥(以下、松村):石山さんと初めてお会いしたのは、4年ほど前に行われた朝活(読書会)でしたよね。石山さんはまだリクルートに勤めていらっしゃって、僕もまだ会社員でした。実はあの朝活での学びや出会いが、私が起業するきっかけに大きく影響しているのです。
改めてとなり恐縮ですが、簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか。
石山アンジュ(以下、石山):はい。わたしは現在、内閣官房シェアリングエコノミー伝道師、シェアリングエコノミー協会 事務局長、Public Meets Innovation代表理事等などさまざまな肩書きで活動しています。
また「イノベーションの社会実装」をテーマに、ベンチャー企業と政府の官民パイプ役として、規制緩和や政策推進などに従事しています。
松村:シェアリングエコノミーとは、AirbnbやUberのような、個人が所有している空間や乗り物、スキルなどをインターネットのプラットフォームを介してシェアする経済活動のことですよね。
石山:そうですね。実はわたし自身もシェアエコノミーを実践しており、現在シェアハウスに住んでいます。政府はシェアリングエコノミーに関して、非常に重点施策として注目をし、今後より支援する動きが高まっています。
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松村:昨今、なぜシェアリングエコノミーに焦点が当てられているのでしょうか?
石山:シェアリングエコノミーにも多くの種類があり一概には言えないのですが、人材のスキルシェアの観点で言えば、労働者不足と働き方の変革に起因します。
海外の例がわかりやすいかもしれません。シェアリングエコノミーの先進国と言われているアメリカのフリーランス人口は約5,700万人ほどの規模になっています。ここでいう“フリーランス”とは広義の意味で、在宅ワークの主婦や副業の方も含まれています。
もともと、フリーランスという働き方はフルタイムで活躍している人がほとんどでした。しかし、シェアリングエコノミーの普及で、隙間時間にフリーランスとして働く人が増えているのです。
松村:なるほど。それで、日本でもその働き方を増やしていこうというわけですね。クラウドソーシングもその一例ですね。
石山:その通りです。ご存じの通り、日本の労働人口は減少傾向にあり、深刻な問題となっております。その対策として期待されるもののひとつが女性の社会進出です。特に、出産や子育て、介護などのライフイベントによって週5日通勤することが難しくなり会社を退職された女性たちのリソース活用が注目されています。
そのためにまず、フルタイムで正社員という雇用形態ではない働き方の選択肢を、政府が率先して作っていく必要があったのです。
松村:実際に、日本でもシェアリングエコノミーの普及は進んでいるのでしょうか?
石山:少しずつ広まっていますが、まだ時間はかかりそうですね。大手企業がもっと積極的にシェアリングエコノミーを活用していかないと難しいと思います。ただ昨今の過重労働問題などにより、大手企業もその必要性は感じ始めていると思います。
松村:ではなぜ、大手企業ではなかなか進まないのでしょうか?
石山:海外と日本における、働くことに対する価値観の違いが理由の一つです。大企業がシェアリングエコノミーを取り入れていくためには、「この業務は正社員でないとできないけれど、この業務はアウトソースしてもいい」のように、どんどん仕分けしていくことが求められます。
しかし、日本人はいわゆる総合職と言われる“何でも屋”のような職種の方が多く、この業務仕分けが苦手なのです。
まず、個人が自身を「営業をする人」「経理業務をする人」「広報業務をする人」という風に、ジョブ・ディスクリプションすることが必要になります。その上で、業務と紐づけていけば、アウトソースすべき業務が見えてきます。この段階になってやっとシェアリングエコノミーを活用できるのです。
松村:副業でも全く同じことが言えます。僕のところにも副業をしたいという相談がよく来ますが、「あなたは何ができる方ですか?」と聞くと答えられない人が意外と多いのです。もともとその質問に答えやすい職種が、エンジニアやマーケター、デザイナーであり、またそれらは副業が “しやすい” 職種と言われています。
逆説的に言えば、副業が広まっていくために必要なことは、個々人が自分は何ができるのかの言語化、つまりジョブ・ディスクリプションの発想を持つことになりますね。
石山:特に副業社員活用は、企業が専門スキルをもった人材リソースを確保する有効な手段になると思います。昨今でいうとITエンジニアは、どこの企業にもニーズがありますよね。
松村:そうですね。シューマツワーカーにご依頼いただく案件の60%がエンジニア案件です。特に地方企業にとって、IT人材の正社員採用はかなり難易度が高いです。地方企業がもっと東京在住の副業社員を活用するようになれば、リソース不足の解消だけでなく、東京の最先端のITノウハウを地方にシェアすることができます。実際に、地方企業のクライアントも増えているんですよ。
石山:いいですね。まさに働き方改革ですね。
松村:しかし、まだまだ日本の会社員は、シェアリングエコノミーや副業社員活用に心理的ハードルがあると思います。どうすれば、この価値観は変わっていくと思いますか?
石山:先ほどお話した日本人の働くことへの価値観の部分にも通じますが、社員1人1人がもっと「仕事を断る」ことですね。
松村:仕事を断る?
石山:日本人は、「何でもやります!」というスタンスで働いている人が多いと言われています。一方、アメリカ人は「これは俺の仕事だけど、これは俺の仕事じゃない」とはっきり言うタイプが多い。後者の場合なら、「それならばアウトソースしようか」という考えが生まれます。
松村:なるほど、ジョブ・ディスクリプションですね。
石山:その通りです。
松村:最後に、これから先1〜2年後、働き方はどう変化していくと思いますか?
石山:フリーランスや副業のような働き方は確実に増えていくと思います。さらにフリーランス同士がチームとなり、プロジェクトを動かすというケースが増えていくのではないでしょうか。
例えば大規模なアプリ制作を受注するのは、なかなか一人のフリーランスだとできませんよね。でも信頼関係のあるフリーランスや副業人材の方のチームであれば受注できます。実際に中国ではすでにそういうことが当たり前になりつつあります。
大企業がそういったチームに依頼するようになれば、よりもっとシェアリングエコノミーは広がっていくと思います。
松村:いいですね! シューマツワーカーとしても、そういう仕組みづくりをどんどん進めていきたいです。今日はありがとうございました!
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