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副業解禁企業が6割超え!人材の流動化時代に企業が選ばれるための戦略とは

「うちの会社も、そろそろ副業を認めたほうがいいのだろうか」

「求人を出しても、なかなか良い人材と出会えない」

採用や人事に携わる方なら、一度はこのようなお悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。

実は今、企業の人材戦略を取り巻く環境が大きく変わりつつあります。ある調査(*1)では、従業員の副業を認めている企業は64.3%と過去最高を記録しました。副業解禁は、一部の先進的な企業だけの取り組みではなく、すでに「当たり前の選択肢」になりつつあります。

この記事では、副業解禁が広がる背景と、人材が会社の枠を越えて動く「人材の流動化」の時代に、企業が選ばれる存在になるための戦略をご紹介します。副業・業務委託という新しい人材活用の形が、採用や定着の課題を解く鍵になるかもしれません。

目次[非表示]

  1. ・副業を認める企業は6割超え――データで見る現在地
  2. ・「人材の流動化」で変わる、企業と人材の関係
  3. ・選ばれる企業になるための3つの戦略
    1. ・戦略① 「認める」から「応援する」へ―自社社員の副業を支える
    2. ・戦略② 副業・業務委託人材を「受け入れる」―外部の力を取り込む
    3. ・戦略③ 安心して働ける「受け入れ体制」を整える
  4. ・小さく始めて、効果を確かめよう
  5. ・まとめ

副業を認める企業は6割超え――データで見る現在地

まずは、現在地を確認しましょう。前述の調査(*1)によると、企業が社員の副業を認める割合(副業容認率)は64.3%で、2023年の前回調査から3.4ポイント上昇しました。

この流れの背景には、国の後押しもあります。厚生労働省は2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(*2)を策定し、原則として副業・兼業を認める方向で検討することが適当だと示しました。ガイドラインでは、企業側のメリットとして、社員が社内では得られない知識・スキルを獲得できること、社員の自律性・自主性を促せること、そして優秀な人材の獲得・流出の防止につながることなどが挙げられています。

つまり副業は、国も企業のメリットとして位置づけている、前向きな人材戦略のひとつなのです。

「人材の流動化」で変わる、企業と人材の関係

次に、人材をめぐる環境の変化を見てみましょう。

人材確保は、多くの企業にとって引き続き大きなテーマです。帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」(*3)では、正社員の人手不足を感じている企業は51.3%で、7月としては4年連続で半数を超えました。「募集しても応募が集まらない」「採用しても定着しない」というお悩みは、決して御社だけのものではありません。

一方で、働く人の意識や行動も変わってきています。ある調査では、4割が「副業経験あり」と回答、2023年の調査より約2割増加する結果となりました(*4)。本業を続けながら社外でも経験を積んだり、複数の組織と関わったりする働き方が、着実に広がっています。

ここで大切なのは、人材が「会社に所属する」から「会社との関わり方を選ぶ」へと変わりつつあることです。正社員か、そうでないかという二択ではなく、副業、業務委託、プロジェクト単位の参画など、関わり方が多様になってきました。

これは、企業にとって決して脅威ではありません。むしろ、これまで出会えなかった人材と接点を持てる大きなチャンスです。転職市場にはなかなか現れない優秀な人材も、副業や業務委託という入り口であれば「ぜひ関わってみたい」と考えてくれる可能性があるからです。



選ばれる企業になるための3つの戦略

では、具体的にどのような戦略があるのでしょうか。ここでは3つに整理しました。

戦略① 「認める」から「応援する」へ―自社社員の副業を支える

1つ目は、自社の社員が副業しやすい環境を整えることです。副業を「禁止しない」だけでは、社員から見ると「本当に認められているのかわからない」という状態になりがちです。大切なのは、ルールを明確にし、応援する姿勢を示すことです。

厚生労働省のガイドラインでは、副業・兼業を許容しているか否か、条件付きの場合はその条件を、自社のホームページ等で公表することが望ましいとされています。求職者にとっても、副業に対する方針が見える企業は、安心して働ける企業です。採用サイトや求人票に副業の方針を載せることは、それだけで立派な採用ブランディングになります。


戦略② 副業・業務委託人材を「受け入れる」―外部の力を取り込む

2つ目は、社外の副業・業務委託人材を受け入れることです。前述の調査では、副業者を外部から受け入れている企業は29.1%(*1)で、前回から4.7ポイント増え、過去最高となりました。

副業・業務委託人材を活用するメリットは、主に次の3つです。

  • 必要な専門性を、必要な期間だけ確保できる
    • マーケティングやエンジニアリング、広報、人事など、フルタイムで雇うほどではない業務でも、専門人材の力を借りられます。
  • 採用のミスマッチを減らせる
    • 実際に一緒に働くことで、スキルや相性を確認できます。その後、正社員採用に進む場合も、お互いを知ったうえで判断できます。
  • 社内に新しい視点が入る
    • 他社での経験を持つ人材が加わることで、既存メンバーにも良い刺激が生まれます。


「まずは正社員を採用しなければ」と考えがちですが、事業課題に合わせて最適な関わり方を選べることこそ、副業・業務委託活用の強みです。


戦略③ 安心して働ける「受け入れ体制」を整える

3つ目は、人材が力を発揮できる体制づくりです。優秀な人材ほど、複数の企業から声がかかります。選ばれるためには、報酬だけでなく、「このプロジェクトなら力を発揮できそうだ」と感じてもらえる環境が大切です。たとえば、次のような準備が役立ちます。

  • 依頼する業務の目的・ゴール・期間・報酬を、あらかじめ明確にしておく
  • 社内の窓口となる担当者を決め、相談しやすい状況をつくる
  • 社内ツールや連絡方法を共有し、チームの一員として迎え入れる

労務面への配慮も欠かせません。厚生労働省のガイドラインを参考に、労働時間の管理や健康確保の方法をあらかじめ決めておくと、社員も企業も安心です。また、業務委託で外部人材に依頼する場合は、契約内容や指揮命令の関係について、必要に応じて専門家にも相談しながら進めましょう。

小さく始めて、効果を確かめよう

ここまで読んで、「方針はわかったけれど、いきなり大きく変えるのは難しい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。そんなときは、小さな一歩から始めることをおすすめします。

  1. 課題をひとつ決める
    1. たとえば「採用広報が手薄」「新規事業の担当者がいない」など、特に困っている業務を絞り込みます。
  2. 期間と範囲を区切って依頼する
    1. まずは3ヶ月程度、特定のプロジェクトに限って副業・業務委託人材に依頼してみましょう。
  3. 振り返って、次を決める
    1. 成果や進めやすさを確認し、継続・拡大・正社員登用などを検討します。

小さく始めれば、リスクも小さく、社内の理解も得やすくなります。うまくいった実績が社内にできれば、それが次の一歩を後押ししてくれるはずです。

まとめ

副業を認める企業が6割を超え、人材が自由に動く流動化の時代が本格的に始まっています。それは企業にとって、負担が増えるということではなく、多様な人材と出会い、組織を強くするチャンスが広がっているということでもあります。

  • 副業を認める企業は6割超え。副業は「当たり前の選択肢」に
  • 自社社員の副業を「応援」し、方針を発信することが、選ばれる企業への第一歩
  • 副業・業務委託人材の受け入れは、専門性の確保とミスマッチの軽減に役立つ
  • まずは小さなプロジェクトから始めるのがおすすめ

「どんな人材にお願いすればよいかわからない」「自社に合う進め方を相談したい」という場合は、副業・業務委託人材のマッチングサービスなど、専門のパートナーに相談してみるのも一つの方法です。新しい人材戦略が、御社の採用・組織づくりの突破口となることを願っています!


参考・典拠


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