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バックオフィス業務を効率化|経理・労務・総務で活躍する副業プロ人材の活用法

「経理担当が1人しかいないので、急な退職がこわい!」
「労務の法改正対応に追われて、本来の採用戦略に時間を割けない」

こうした悩みを抱える経営者や人事担当者の方は、決して少なくないのではないでしょうか。

売上や事業成長に直結する営業・エンジニア職の採用には力を入れていても、経理・労務・総務といったバックオフィス部門は「後回し」になりがちです。しかし、バックオフィスの機能不全は、資金繰りの停滞やコンプライアンス違反など、経営そのものを揺るがすリスクに直結します。

この記事では、バックオフィス業務が抱える構造的な課題を整理したうえで、その解決策として注目される「副業・業務委託のプロ人材活用」について、具体的な活用シーンとともにご紹介します。

目次[非表示]

  1. ・課題① 慢性的な人手不足
  2. ・課題② 制度改正による業務負荷の増大
  3. ・課題③ 「専門性」が高いゆえの採用難易度
  4. ・メリット① 即戦力の専門人材にピンポイントでアクセスできる
  5. ・メリット② コストを抑えながら専門性を確保できる
  6. ・メリット③ 繁閑差の大きい業務にも柔軟に対応できる
  7. ・メリット④ 第三者の視点による内部牽制の強化


中小企業のバックオフィスが直面する3つの構造的課題

課題① 慢性的な人手不足

株式会社帝国データバンクが2025年1月に実施した調査によると、正社員が「不足」していると回答した企業は53.4%にのぼり、コロナ禍以降で最も高い水準となりました(*1)。

*1 株式会社帝国データバンク[TDB]「人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)」 https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250221-laborshortage202501/

人手不足はどの部門にも共通する課題ですが、専門知識が求められる経理・労務は、営業職などと比べて代替要員の確保が難しく、「担当者が1人しかいない」という属人化が起こりやすい部門です。

日本商工会議所・東京商工会議所が実施した実態調査でも、この傾向は数字として裏付けられています。売上高1千万円以下の事業者では、約9割(92.0%)が1人で経理事務を行っており、約8割(78.1%)は代表者や営業担当者が経理を兼務しているという結果が出ています(*2)。

*2 日本商工会議所・東京商工会議所「中小企業におけるインボイス制度、電子帳簿保存法、バックオフィス業務の実態調査」結果について(2024年9月) https://www.jcci.or.jp/news/news/2024/0909113000.html

専任担当者が1人しかいない状態は、その担当者が急に退職・休職した場合、業務が完全にストップしてしまうリスクをはらんでいます。


課題② 制度改正による業務負荷の増大

2023年10月のインボイス制度開始、2024年1月の改正電子帳簿保存法における電子取引データ保存の義務化など、経理業務を取り巻く制度は年々複雑化しています。

ある会計ソフトベンダーが実施した調査では、経理担当者の85%が「インボイス制度・電子帳簿保存法への対応によって業務負荷が増えた」と回答しており、特に「紙書類の保管」と「電子取引のデータ保管」を分けて管理する手間が負担増の大きな要因になっているという結果も出ています(*3)。

*3 PCA「インボイス制度・電子帳簿保存法に関する実態調査」(2024年) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000068180.html

このように、既存の担当者の業務量は増える一方で、それに対応する人員は増えていないというギャップが、多くの企業で生まれています。


課題③ 「専門性」が高いゆえの採用難易度

経理・労務は専門資格や実務経験が求められることが多く、求人を出しても応募が集まりにくい職種でもあります。特に、月次決算や年末調整、社会保険の各種手続きなど、実務経験がなければ即戦力として活躍することが難しい業務も多いため、採用のハードルはさらに上がります。

正社員採用の場合、人材紹介会社への成功報酬は年収の30〜35%が相場ともいわれ、採用コストの負担も軽視できません。かといって、繁閑差の大きいバックオフィス業務のために正社員を1人増やすのは、コスト面でも二の足を踏む企業が多いのではないでしょうか。


なぜ「副業・業務委託プロ人材」が解決策になるのか

このような構造的な課題に対して、近年注目を集めているのが、副業や業務委託というかたちで専門人材の力を借りるアプローチです。正社員採用のみにこだわらず、必要な業務・必要な時間だけ専門家の力を借りることで、どのようなメリットが生まれるか、見ていきましょう。


メリット① 即戦力の専門人材にピンポイントでアクセスできる

副業・業務委託の人材市場には、大手企業の経理部門や税理士法人・社労士事務所などで実務経験を積んだ専門人材が多く登録しています。「本業では別の仕事をしているが、専門スキルを活かして他社の力になりたい」というプロ人材に、週数時間〜という単位でピンポイントに関わってもらうことができます。


メリット② コストを抑えながら専門性を確保できる

正社員として専任の経理担当者や社労士資格保持者を雇用するとなると、採用コストに加えて、月々の固定人件費も発生します。副業・業務委託であれば、必要な業務量に応じて稼働時間・費用を調整できるため、「フルタイムで雇うほどの業務量ではないが、専門知識は必要」という中小企業の実情に合った活用が可能です。


メリット③ 繁閑差の大きい業務にも柔軟に対応できる

月次決算や年末調整、社会保険の算定基礎届など、バックオフィス業務には時期によって業務量が大きく変動するという特徴があります。副業・業務委託人材であれば、繁忙期のみ稼働時間を増やすといった柔軟な調整もしやすく、正社員では対応しにくい「波」のある業務量にもフィットします。


メリット④ 第三者の視点による内部牽制の強化

経理・労務が1人で完結してしまう体制は、業務の属人化だけでなく、不正やミスが発見されにくいというガバナンス上のリスクも抱えています。外部の専門人材が関わることで、社内の処理内容をチェックする「第三者の目」が入り、内部牽制の仕組みを強化できるという副次的な効果も期待できます。


経理・労務・総務、それぞれの具体的な活用シーン

実際に、どのような業務を副業・業務委託人材に任せることができるのでしょうか。職種別に代表的な活用シーンをご紹介します。

  • 経理領域 

    • 記帳代行や仕訳入力、月次・年次決算のサポート、資金繰り表の作成、インボイス制度・電子帳簿保存法対応の体制整備など。特に、制度改正への対応は専門知識が求められるため、経験豊富なプロ人材の知見が役立つ場面です。

  • 労務領域 

    • 給与計算や社会保険の手続き代行、就業規則の見直し、勤怠管理体制の構築、年末調整の実務サポートなど。労務まわりは法改正の頻度も高く、最新の法令に精通した人材に一部を任せることで、コンプライアンスリスクの低減にもつながります。

  • 総務領域 

    • 契約書管理やオフィス関連の庶務、社内規程の整備、株主総会や取締役会の運営サポートなど。定型化しやすい業務も多く、業務の切り出しがしやすい領域といえます。

こうした業務は、いずれも「毎日フルタイムで対応が必要」というよりは、「週に数時間、特定のタイミングで専門知識を発揮してほしい」という性質のものが少なくありません。だからこそ、正社員採用よりも副業・業務委託というかたちのほうが、企業側・人材側双方にとって無理のない関わり方になりやすいのです。

例えば、これまで経営者自身が休日を使って対応していた記帳作業を、経理経験者に月10時間ほど委託することで、経営者は本来注力すべき事業戦略の検討に時間を使えるようになります。バックオフィスの負担を専門家に預けることは、単なる「業務の外注」ではなく、経営資源を本業に集中させるための投資と捉えることもできるのです。


導入を成功させるための進め方とは?

副業・業務委託人材の活用を検討する際は、いきなり業務全体を任せようとせず、まずは業務の一部を切り出して小さく始めてみることをおすすめします。

例えば、以下のような単位で業務を切り出すと、社内の既存業務フローへの影響を最小限に抑えながら、効果を検証しやすくなります。

  • 経理:月次決算のうち、特定の勘定科目の突合作業や、記帳代行のみを依頼する

  • 労務:年末調整や算定基礎届など、繁忙期の一時的な業務のみを依頼する

  • 総務:就業規則や社内規程の見直しプロジェクトを、3ヶ月間の業務委託で依頼する

このように範囲を限定したスモールスタートを経て、業務内容や進め方に手応えを感じられれば、任せる業務範囲を徐々に広げていくというステップを踏むことで、無理なくバックオフィス体制を強化していくことができます。


導入時に押さえておきたいポイント

副業・業務委託人材の力を最大限に引き出すためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

  • 業務範囲とゴールを明確にする 

    • 「何を」「いつまでに」「どのレベルまで」任せるのかを事前にすり合わせておくことで、認識のズレを防ぎ、スムーズな連携につながります。

  • 情報共有の仕組みを整える 

    • 経理・労務は会社の機密情報を扱う業務でもあるため、必要な情報へのアクセス範囲や、コミュニケーション手段(チャットツールや定例ミーティングなど)をあらかじめ決めておくことが必要です。

  • 既存の担当者との役割分担を整理する 

    • 副業・業務委託人材はあくまで「業務の一部を補う」存在です。社内の既存担当者とどのように役割を分担するのかを整理しておくことで、二重対応や業務の抜け漏れを防ぐことができます。

こうしたポイントを押さえておけば、外部人材であっても、社内のメンバーと同じように安心して業務を任せられる体制を作ることができます。


企業にとって重要なバックオフィスの体制の見直しへ!

経理・労務・総務といったバックオフィス部門は、企業の根幹を支える重要な機能でありながら、慢性的な人手不足と制度改正による業務負荷の増大という、構造的な課題に直面しています。特に専任担当者が少ない中小企業では、属人化のリスクや、担当者一人にかかる負担の大きさが、経営上の見えないリスクになっているケースも少なくありません。

こうした課題に対して、正社員採用だけにこだわらず、副業・業務委託という選択肢を組み合わせることは、非常に現実的で効果的なアプローチです。専門性の高い人材に、必要な業務量・必要なタイミングだけ力を借りることで、採用コストや固定人件費を抑えながら、バックオフィスの体制を無理なく強化することができます。

専門家の知見を上手に取り入れながら、経営陣や既存の担当者が本来注力すべき業務に集中できる環境を整えていくことが、これからの組織づくりにおいてますます重要になっていくでしょう。まずは小さな業務からでも、外部のプロ人材の力を借りることを検討してみてはいかがでしょうか。


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