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目的は組織の可能性の最大化。じげんの外部人材の活用戦略とは
住まいや旅行、仕事といった多岐にわたるライフメディアプラットフォーム事業を展開する、株式会社じげん。2018年に東証一部への株式変更・20件近いM&Aの実施に伴う体制変更を経て、社外人材の活用が進み、今では社員と外部人材の比率が4:6の部署もあるという。そんな「じげん」の外部人材活用の成功事例や独自の採用戦略とは
2021.03.09
2026.02.19
「必要な時期に必要な人材が採用できない」
「予算が膨らんでしまい、コントロールが効かない」
――採用活動において、このような悩みを抱えている企業は少なくありません。
採用活動は、企業の成長を左右する重要な経営課題です。特に、スタートアップや中小企業においては、限られた予算と人員の中で最大限の成果を出すことが求められます。そのためには、場当たり的な採用活動ではなく、年間を通じた戦略的な計画が重要になります。
本記事では、採用活動の年間計画を立てる際の具体的なステップと、スケジュール作成・予算管理のポイントについて解説します!
Contents
採用活動において年間計画を立てることは、単なる「スケジュール管理」以上の意味を持ちます。
まず、年間計画があることで、採用活動全体を俯瞰し、各フェーズで必要な準備を前もって整えることができます。「いつ、誰が、何をするのか」が明確になるため、採用担当者の負担が軽減され、対応の抜け漏れを防げます。
また、関係者間での認識を合わせやすくなる点も重要です。
採用活動は人事部門だけでなく、経営層や各部門の責任者、現場の社員など、多くの人が関わります。年間計画を共有することで、全社的な連携がスムーズになり、採用活動の質が向上します。
さらに、予算管理の観点からも年間計画は欠かせません。
採用にかかるコストは、求人広告費や人材紹介料といった外部コストだけでなく、採用担当者の人件費や面接官の時間といった内部コストも含まれます。計画なく採用活動を進めると、想定以上に予算が膨らんでしまうリスクがあります。
ある調査によると、2024年の中途採用において、実際にかかった採用コストの平均は650.6万円で、当初の予算平均565.3万円を85.3万円も上回る結果となっています(*1)。このように、予算を超過してしまうケースは決して珍しくありません。年間計画を立て、予算を適切に配分・管理することが重要です。
*1 マイナビ「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250326_93514/
年間計画を立てる前に、まずは新卒採用と中途採用、それぞれの基本的なスケジュールを理解しておきましょう。
新卒採用は、政府が推奨するスケジュールに沿って進められるのが一般的です。2027年卒以降も、以下のスケジュールが継続される見込みです。
ただし、実際には多くの企業がこのスケジュールよりも早く動き出しています。インターンシップは大学3年生の6月頃から始まり、夏季休暇を利用したサマーインターンシップが重要な接点づくりの場となっています。
株式会社ディスコの調査によると、2025年卒採用では、採用広報解禁前の面接開始が増加し、内定出しも前倒しの傾向が見られました。大手企業を中心に、早期からの採用活動が定着しつつあります。
新卒採用の年間スケジュールは、おおむね以下のような流れとなります。
中小企業の場合は、大手企業とずらして選考時期を設けることが多く、春採用と秋採用の2回の採用活動を行うケースも見られます。
【参考】
マイナビ「2025年卒企業新卒採用活動調査」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240719_83190/
株式会社ディスコ「2025年卒・新卒採用に関する企業調査-中間調査」
https://www.career-tasu.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/07/2025_chukanchosa_k.pdf
文部科学省「学生の就職・採用活動に関する調査」
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/gakuseishien/1295499.htm
中途採用には、新卒採用のような統一されたスケジュールはありません。企業ごとに立てた年間の採用計画に沿って実施したり、欠員が発生したタイミングで随時募集したりと、高い自由度があるのが特徴です。
ただし、中途採用市場にも繁忙期と閑散期があります。転職希望者の動きが活発になるのは、年末年始やボーナス支給後、年度や半期の切り替えなど、転職のきっかけとなるイベントがある時期です。
中途採用に最適な時期は、1月〜2月、6月〜7月、10月〜11月とされています。これらの時期は、求職者の活動が活発になり、応募が集まりやすい傾向にあります。
中途採用の一般的な流れは、以下の通りです。
新卒採用と比べて選考期間が短く、1〜2ヶ月程度で内定まで進むのが一般的です。ただし、内定から入社までには、求職者が現職での退職交渉や引き継ぎを行う必要があるため、1〜2ヶ月程度の期間を見込んでおく必要があります。
年間計画を効果的に立てるためには、次章から紹介する5つのステップを参考にしてみてください!
年間計画の第一歩は、前年度の採用活動を振り返ることです。過去のデータを分析し、採用活動における傾向や課題を把握することで、翌年度の計画を立てる際の指針となります。
振り返るべき主な項目は、以下の通りです。
これらの項目を振り返ることで、「母集団形成が不足していた」「面接から内定までの期間が長すぎた」「特定の求人媒体からの応募が少なかった」といった課題が見えてきます。これらの課題を明確にし、次年度の改善点として計画に盛り込みましょう。
採用計画は、企業の事業計画と密接に連動している必要があります。事業計画を達成するために、どの部署に、いつ、何人、どのような人材が必要かを明確にします。
まず、経営層や各部門の責任者と協議し、次年度の事業目標を確認します。新規事業の立ち上げ、既存事業の拡大、組織再編など、事業計画によって必要な人材は大きく変わります。
次に、現在の人員構成を分析します。退職予定者の有無、各部門の人員過不足、スキルギャップなどを把握し、どこにどれだけの人員が必要かを算出します。
この際、「即戦力が必要なのか、ポテンシャル採用でよいのか」「専門スキルが必要なのか、汎用的なスキルでよいのか」といった質的な要件も併せて定義しましょう。
要員計画が固まったら、具体的な採用ターゲットを設定します。採用したい人物像を明確にすることで、求めるスキルや能力、組織文化に適合した人材を効果的に採用できます。
採用要件を洗い出す際は、MUST要件(絶対に譲れない条件)とWANT要件(あったら嬉しい条件)に分けて整理しましょう。選考の際の評価基準にもなります。「入社後に習得できるかどうか」でMUST/WANTを判断するとよいでしょう。
例えば、エンジニアの採用であれば、「特定のプログラミング言語の実務経験3年以上」をMUST要件とし、「チームマネジメント経験」をWANT要件とするといった具合です。
また、スキルや経験だけでなく、組織文化や価値観との適合性も重要な要素です。企業の理念やビジョンに共感し、組織文化に適合する人物を採用することで、入社後の定着率やパフォーマンスが向上します。
採用ターゲットが明確になったら、どのような採用手法を使うかを決定し、年間スケジュールに落とし込みます。
採用手法には、求人サイトへの掲載、人材紹介会社の活用、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、採用イベントへの出展など、さまざまな選択肢があります。採用ターゲットや予算に応じて、最適な手法を組み合わせることが重要です。
年間スケジュールを作成する際は、入社希望時期から逆算して計画を立てましょう。「4月1日に入社してほしい」という場合、選考期間や内定者フォローの期間を考慮すると、遅くとも前年の12月には選考を開始する必要があります。
スケジュールには、以下の項目を具体的に記載します。
全体を俯瞰できる年間スケジュールを作成することで、状況を共有しやすくなり、関係者との連携もスムーズになります。
年間計画の最後のステップは、採用予算の設定です。
採用活動にかかるコストを正確に見積もり、予算内で最大限の成果を出すための配分を考えます。
採用コストは、大きく「外部コスト」と「内部コスト」に分けられます。
予算を設定する際は、過去の実績をベースにしながら、次年度の採用目標数や採用手法の変更などを考慮して調整します。また、予算の約4割を占めるとされる求人媒体への掲載費は、費用対効果を定期的に検証し、必要に応じて見直すことが重要です。
年間計画を立てたら、それを確実に実行に移すための工夫が必要です。ここでは、採用スケジュールを成功させるための実践的なポイントを紹介します。
スケジュールを立てる前に、社内の受け入れ体制が整っているかを確認する必要があります。特に中小企業やスタートアップでは、面接官の確保や評価基準の整備が遅れ、採用活動が後手に回ることがあります。
誰が面接を担当するのか、評価基準やフィードバックの流れ、稟議や承認フローを事前に確認しましょう。また、社内カレンダーとの整合性(繁忙期など)も確認し、全社的に無理のないスケジュールを立てることが重要です。
学生も転職希望者も、複数の企業の選考を受けていることが一般的です。選考期間が長すぎると、他社に優秀な候補者を取られてしまうリスクが高まります。
選考期間は適切か、選考に時間がかかる場合は選考基準が明確になっているかを確認しながらスケジュールを設定しましょう。また、選考中の連絡が遅い場合も、求職者の気持ちが離れてしまいます。できるだけ時間を空けないように連絡を取り、接点を持ち続けることが大切です。
採用活動は、他社との人材獲得競争でもあります。特に新卒採用では、大手企業の動向が市場全体に大きな影響を与えます。
人材会社などが発表する調査レポートを活用し、業界全体の採用動向や他社の選考スケジュールを把握しましょう。自社の採用スケジュールが他社と比べて遅れていないか、適切なタイミングで動けているかを定期的にチェックすることが重要です。
年間計画は、一度立てたら終わりではありません。採用活動を進める中で、「応募が想定より少ない」「内定辞退が多い」といった問題が発生することもあります。
定期的に進捗を確認し、必要に応じて計画を見直す柔軟性を持ちましょう。月次や四半期ごとに振り返りの機会を設け、目標達成状況や予算の消化状況を確認します。問題があれば早期に対策を講じることで、最終的な採用目標の達成につながります。
従来の正社員採用だけでは、必要な人材を確保できないケースも増えています。特に専門性の高いスキルを持つ人材や、短期的なプロジェクトに必要な人材は、採用市場での競争が激しく、コストも高騰しています。
こうした課題を解決する一つの方法として、副業や業務委託という形での人材活用が注目されています。特定のプロジェクトやスポット的な業務に対しては、正社員を採用するよりも、必要な期間だけ専門スキルを持つ人材に参画してもらう方が、コスト効率が良い場合もあります。
また、正社員として採用する前に、まず副業や業務委託で協働し、相性を確かめてから正社員登用を検討するといった柔軟な採用戦略も可能です。
年間の採用計画を立てる際には、すべてのポジションを正社員で埋めるという前提にとらわれず、副業や業務委託人材の活用も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。採用の多様化は、限られた予算の中で最大限の成果を出すための有効な戦略となります。
採用活動の年間計画は、企業の成長を支える重要な基盤です。計画的にスケジュールを立て、適切に管理、そして改善することで、必要な時期に必要な人材を確保し、組織の目標達成につなげることができます。
年間計画を立てる際の5つのステップを振り返りましょう。
また、計画を成功させるためには、社内の受け入れ体制を整え、選考期間を適切に設定し、競合他社の動向をチェックしながら、柔軟に計画を見直していくことが重要です。
採用活動は、一度計画を立てたら終わりではありません。定期的に振り返り、改善を重ねていくことで、年々精度の高い採用活動が実現します。貴社ならではの年間計画の策定に、この記事がお役に立てば幸いです!

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