副業先への提案で信頼を獲得するには?本業での経験を活かした仕事術を聞く|“副業”経験者インタビューVol.2

副業に挑戦する方は年々増え、副業を受け入れる企業も増加中です。とはいえ、いざ自分が挑戦しようと思うと、時間のこと、本業のこと、家庭のこと… 新たな挑戦に、不安を感じる方も多いはず。
本業もありながら「副業」に挑戦し、みごとに成果をあげているのはどんな方たちなのでしょうか?
このシリーズでは、シューマツワーカーを使って副業を始めた「副業ワーカーさん」に話を伺い、そのリアルな実態をさぐっていきます!
なにがきっかけで副業をスタートしたのか、どうやって不安を解消したのか、ここだから話せる失敗談などなど・・・お話いただきました! (肩書や所属先・案件の情報は、インタビュー実施時のものです)
独自のキャリアを歩み、経験を積んできた本業の仕事
ー 今日はお時間ありがとうございます! まずは本業でのお仕事について教えていただけますでしょうか?
Tさん 本業は、スキマバイトサービスを運営するメガベンチャーにて、新規事業開発を担当しています。直近では海外企業への出資プロジェクトや、自治体や中央省庁と連携し、地域の課題解決につながるような人材面での公共インフラを構築していくプロジェクトなどを推進しています。
ー 人材系やIT系のご経験が長いのでしょうか?
Tさん 実はちがうんです。もともと学校卒業後には、企業に就職するというイメージがわかず、12分の1サイズのミニチュアを製作・販売する個人事業主として働いていました。具体的には、海外の個人のお客様向けに、ラーメンやお寿司など、日本らしい物のミニチュアを販売したり、また、企業向けにも、周年記念パーティーのために1号店のミニチュアを作るといった、プロモーションの企画と製作を兼ねた仕事を請け負っていました。
企業向けのプロモーションを経験すると、私自身は個人事業主ですが、スケールの違う予算がつきます。大きな金額の動くインパクトに楽しさを感じて、広告代理店に入社してみようと考えたんです。
当時は、デジタルマーケティングが普及し始めた頃。デジタルマーケティングとテレビCMなどのオン・オフを横断した企画などを担当し、クライアント企業の事業成長に貢献するという経験を通して、やりがいを感じましたね!
ところがしばらくすると、事業会社に魅力を感じるようになります。自社のプロダクトやサービスを通して、社会を変革するーーそんな影響力の使い方に興味がわいてきたんです。そこで入社したのが、現職のスタートアップです。2019年に入社し、関西拠点のゼロからの立ち上げに携わりました。
知人の会社立ち上げを手伝い、「副業」の可能性に気づいた
ー 独自のキャリアを歩みながら、本業で着実に経験と実績を積んでこられたんですね。そんな中、副業はいつかやりたいというお気持ちがあったのでしょうか?
Tさん 今思うと、専門学生時代にもすでにミニチュア製作をしていましたので、学生との「二足のわらじ」という状態ではありましたので、そういう向き合い方はもともと向いていたのかもしれません。
とはいえ、広告代理店時代は、本当に集中してオフィスワークを中心とした社会人スキルを高めたいと考えていました。なので本業以外に副業をするという選択肢はあまり思いつかなかったんですよね。
ところが、何年か前から、知り合いの会社の立ち上げの手伝いなどを依頼される機会が増えてきたんです。製作時代からのスキルでAdobeなどが使えるので、画像やLPを作成するというお手伝いができたんです。本業の外でも仕事ができるかもしれない、と感じて、副業に興味を持ち始めました。
自分がこれまで本業で積み重ねてきた経験やスキルって、もしかすると他社でも活かせたり、評価されたりするスキルになっているのではと、気付かされたんです。
「自分の経験やスキルは通用するだろうか?」という興味
ー 副業でこのような仕事をしてみたい、というイメージはありましたか?
Tさん 製作時代からのAdobeのスキル、広告代理店での計画策定や遂行スキル、さらにスタートアップでの新拠点立ち上げ経験から身についた、立ち上げ期のカオスな状態で必要なことを整理し、やり抜いていくスキルーーこうした様々なスキルの掛け合わせで貢献できる企業もあるのではないか、と考えました。
私自身の経験やスキルは、なかなか一言では表現しにくいものも多いですが、まさにそれが生かされる場もありそうだ、と思ったんです。
ー そういった気づきが「副業できるかも」というお気持ちにつながっていったんですね。
Tさん それに、「今の自分はどれくらいできるんだろう?」という興味もわいてきました。社会人としての経験を積んできましたが、あくまで勤めている会社の中でのこと。もっと広く自分の力を試してみたいと思いました。
ー タイミングとしても良かったのでしょうか?
Tさん 本業での働き方が変化したこともきっかけになりました。1年半ほど前に事業部から今の新規事業部に異動して、時間に少しゆとりを持ちながら、より裁量をもった働き方ができるようになったんです。
自分の力を試せる「最強のテスト環境」として、副業に挑戦!
ー 副業エージェントに登録したのはシューマツワーカーが初めてでしたか?
Tさん はい、そうです。副業のポータルサイトをさがしたときに、スキルマッチング型の単発の副業ではなくて、じっくりと継続して働くような業務委託型の副業をさがしたいと思ったんです。そしてシューマツワーカーは、募集案件の傾向として、長期的にクライアント企業と向き合えるものが多いと感じました。
ー 副業をこれから始める方は、不安のある方も多いと思います。副業探しを始めた段階でのお気持ちは、いかがでしたか?
Tさん 不安はあまりありませんでした。副業は、「今の自分に何ができて、何が足りないのか」を客観的にはかることのできる最強のテスト環境だなと思いながら、副業探しをしていましたね!
本業で培った事業開発のスキルが、全くちがう事業領域や業界でも通用するのか試すことにわくわくしていましたし、その結果として事業成長に直結させて自分の市場価値を証明したい!と、前向きに思っていました。
一般事務の副業から、「事業を伸ばすための提案」へ
ー では、いよいよ具体的な副業の仕事内容について、教えていただきたいと思います。今、副業で携わっているのは政治をテーマに教育・研修事業を展開する企業ですね。
Tさん はい、当初は一般事務として副業をスタートしました。
この案件に応募したのは、本業で今、自治体や中央省庁との事業を進めているので、その経験が活かせると考えたんです。自治体との仕事は、書類ややりとりの決まり、入札などの業務フローに特色がありますから。逆に副業での経験が、本業に生きる可能性もあると考えました。
入った時の役割は、役員の秘書・アシスタントです。簡単な事務業務や、メールのやりとりなど。
ただ、入ってすぐに、実質的に数名の役員で全てを行っている状態であることがわかりました。代表とミーティングをしていく中で企業のビジョンや今後目指していることをキャッチアップし、「現状でなにが課題であるか」「この会社のペインは何か」を整理していきました。
決められた枠組みにとらわれないで、「こういうことが会社に必要ではないか」と思うポイントを整理して、提案していくことにしたんです。
ー 副業先では、与えられた役割に閉じてしまわずに、本業での知見を活かした積極的な「提案」が喜ばれることも少なくありません。Tさんは、具体的には、どのように提案をしていきましたか?
Tさん まずは現状を整理していきました。企業様の現状としては、まとまった案件が入ってきてはいるが、その対応に役員の時間がとられてしまい、新規の案件を獲得するマーケティングや営業などの活動には手を付けられていないという課題がありました。
そして役員の方の役割やご希望を聞いていき、今のチームには新たに、PM(プロジェクトマネージャー)と営業担当者が必要と思われる、その理由はこう、見込まれる効果はこうで、コストはこれくらいーーと提案していきました。要するに、どうすれば事業がのびるかを棚卸しし、どこを解消したら数字にもっともコミットするのか。それを考えていったときに、今すべきことは「採用」だと結論づけ、提案したんです。
さらに、具体的に今回の採用では正社員雇用ではなく「業務委託」の人材受け入れを提案しました。プロジェクトが流動的になることが想定できるためです。業務委託した場合のコスト感についても情報を提供しました。
また、採用媒体の検討も任せていただき、結果的に67万円のコスト削減に成功しました。媒体の選別、問い合わせ、交渉まで任せていただいたことで、初期費用・導入費用の交渉をすることができました。本業で人材系の事業にも携わっていたことが活きました。
提案により67万円のコスト削減に成功、副業先に喜ばれた
ー すばらしい成果ですね。キャッチアップにかかった時間はどれくらいでしたか?
Tさん 最初のころは、2~3回しっかりとしたミーティングをしてもらいました。様々な業務について、どういう背景があるのかなどお聞きしていきました。ですが、提案までの期間はすぐです。
提案というのも、最初から大袈裟な形で行ったわけではないんです。ミーティングをさせていただく中で、「この認識であっていますか?」「ここを解決するのは会社にとってプラスになりますか?」「こういう貢献ができますが、私がやりましょうか?」と、段階的にすり合わせていったんです。
もちろん企業様が望まない方向であれば、私も勝手に進めたりできませんから。
ー 与えられた役割から一歩出て、提案をしていったことについて、企業側からフィードバックはありましたか?
Tさん 「こんな人だったらいくらでも来てほしい!」と言ってもらえました! 今回が企業様にとって人材採用の観点で大きな転換点になったという話を伺い、私も貢献できたのだと感じられましたね。
副業先での働き方と、本業への申請について
ー それでは、副業先での働き方について教えてください。コミュニケーションの方法や、稼働時間はいかがですか?
Tさん 基本的に、やりとりはチャットツールで行っています。副業先で使われているのはLINE Worksです。オフラインで会話した方が良いことが発生したら、オンラインミーティングを設定したり、パッと終わりそうな内容であれば電話もします。
稼働しているのは月に20~30時間です。
ー 本業では、副業を始めるにあたって申請が必要でしたか?
Tさん はい、副業をすることについてのワークフローを出す必要がありますが、何か制限があるというわけではありません。
副業は、本業をあきらめずに新しいことに挑戦できるチャンス!
ー 今後、副業は続けていかれますか?
Tさん はい、基本的には、一度ご縁のあった企業様とは長期的にお付き合いしていきたいです。でも私のやりたいこととしては、ベンチャー企業の事業基盤を盤石にするお手伝いをしていきたいんです。今の副業先でも事業成長に貢献していけたらと思っています。
本業で培った「事業を伸ばしていく」というスキルや経験は、きっと様々なスタートアップで活用できるものだと思うんです。本業と同じような事業成長を、他の企業にも起こしていきたいです。そのためにはどうしたらいいか、考えるのが楽しいです!
一方で、私がやりたいと考えている「事業開発」って、継続的にずっと続けていくというよりは、目標を決めて基盤を整えていく、という短期的なサイクルでの実現が理想的だなと思ってもいます。ですから、一社で事業成長を実現する仕組みが整ったら、次の同じようなフェーズで課題を抱える企業に携わる・・・という連続した関わり方になっていくのかなと考えてもいます。
ー 今回副業をやってみられて、個人にとっての副業のメリットをどのように思われますか?
Tさん 今、本業でやっていることをあきらめないで新しいことに挑戦できる、というチャンスが得られることです!
今の会社でやりたいこともありますし、それを中断したりあきらめたりもしたくはないんですよね。今の会社での挑戦をそのまま維持した状態で、新たな繋がりを得たり、経験したりできることは素晴らしいメリットです。
また、副業での経験が逆に本業に生きていく、ということもあります。私個人としても副業の経験のおかげで、できることが広がっていると思います!
ー ありがとうございます! 最後に、これから副業をスタートする方へのメッセージをお願いいたします!
Tさん 「自分には副業はまだ早いかも」と迷っていらっしゃる方こそ、ぜひ「小さく始めて」みてほしいと思います!
今回やってみたからこそ、本業 × 副業の掛け算って今後のキャリアにおける最強の武器になる!と感じました。
また、「副業はあいた時間でお金を稼ぐもの」というイメージかもしれませんが、その枠を外すことが大事だと思います。「限られた時間の中で企業にどれくらいの付加価値を提供できるのか」を突き詰めて挑戦するチャンスだと思うんです。
事業の課題解決まで伴走するという姿勢で向き合えば、副業の枠を超えた信頼関係が生まれ、それが本業に生きる大きな成果になると思います。自分自身のスキルで誰かの事業を「勝たせる!」というチャレンジを楽しんでいただけたらいいな、と思います!
ー ありがとうございました!



