
副業からフリーランスへ。独立を考えたときに準備しておきたいこと
副業を始めて、案件にも慣れてきて、収入も少しずつ安定してきた。そうなってくると、ふと「このままフリーランスとして独立しちゃおうかな」という考えが頭をよぎることってありますよね。
会社という後ろ盾がなくなることへの不安はありつつも、「自分のペースで、好きな仕事に集中したい」という気持ちが、日に日に大きくなっていく。「今の会社にいる限り、この働き方は変えられないのかな」「独立したら、もっと自由に働けるのかな」。頭の中で、そんな問いがぐるぐる回っている方も多いのではないでしょうか。
一方で、「独立」という言葉には、副業とはまた違った重みがあります。何をどこまで準備しておけばいいのか分からず、結局、考えるだけで一歩を踏み出せずにいる、という方も少なくありません。そこで今回は、「副業からフリーランスへ」というステップを踏むときに、準備しておきたいことを一緒に整理していきたいと思います!
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なぜ「独立」は、副業よりもハードルが上がるのか
副業は、本業という安全網があるからこそ、多少うまくいかなくても生活に大きな影響は出ません。案件が一つ終わってしまっても、翌月の生活が立ち行かなくなるわけではないですよね。でも、フリーランスとして独立するということは、その安全網を自分の手で外す、ということでもあります。
実際、内閣官房が令和2年5月に発表した「フリーランス実態調査結果」によると、フリーランスとして働く上での障壁として「収入が少ない・安定しない」と回答した人が約6割にのぼっています(*1)。副業のうちは気にならなかった収入の波が、独立後は生活そのものに直結してくるため、心構えと準備がより重要になってくるのです。
とはいえ、これは「独立は危険だからやめておこう」という話ではありません。むしろ逆で、事前にどんな壁があるのかを知っておけば、その分だけ対策も立てやすくなります。同じ調査では、フリーランスという働き方を選んだ理由として「自分の仕事のスタイルで働きたいため」と答えた人が約6割にのぼっており、多くの人が、収入面の不安と引き換えにしても、自分らしい働き方を選んでいることが分かります。正しく準備をしておけば、その不安の多くは小さくすることができるはずです。順番に見ていきましょう。
*1 内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果」(令和2年5月) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/freelance/dai1/siryou13.pdf
準備①:取引先を、複数持っておく
独立を考えるときに、まず見直しておきたいのが「今の取引先は何社あるか」ということです。
先ほどの内閣官房の調査では、業務委託を受けて働くフリーランスのうち、1社のみと取引している人は40.4%にのぼることが分かっています。1社だけに頼っていると、その取引先の都合で契約が終了したり、発注量が減ったりしたときに、収入がゼロに近づいてしまうリスクがあります。
副業のうちに、複数のクライアントと取引をする経験を積んでおくと、独立後も収入源を分散させやすくなります。「今の副業先だけで独立する」のではなく、「独立するタイミングまでに、案件を2社、3社と増やしておく」という視点を持っておくと、いざというときの安心材料になります。
いきなり複数社と契約するのが難しければ、まずは今の副業とは別の案件に、少しずつ挑戦してみるところから始めるのも一つの方法です。異なる業界や異なる規模のクライアントと関わっておくことで、自分の強みがどこで通用するのかも見えてきますし、独立後の営業先のイメージも具体的になっていきます。
準備②:収入の波に備える、当面の生活費
フリーランスの収入は、会社員のように毎月決まった額が振り込まれるわけではありません。案件が途切れる時期もあれば、報酬の入金が数ヶ月先になることもあります。特に独立したばかりの時期は、新しい取引先を開拓している最中で、収入が安定するまでにある程度の時間がかかることも珍しくありません。
そのため、独立準備の一環として、当面の生活費をどれくらい確保しておくかを、自分なりに考えておくことが大切です。独立系の情報サイトなどでは、目安として生活費の半年〜1年分を準備しておくという考え方がよく紹介されています。もちろん、必要な金額は家族構成やこれまでの収入状況によって大きく変わりますので、まずは自分の毎月の支出を洗い出し、無理のない範囲で目標額を決めてみるのがおすすめです。
また、副業を続けながら少しずつ貯蓄していく場合、「いくら貯まったら独立する」という明確な基準を先に決めておくと、独立のタイミングに悩みすぎずに済むというメリットもあります。目標が具体的になっていれば、日々の副業への取り組み方にも張り合いが出てくるはずです。
準備③:社会保険や税金の手続きを、事前に把握しておく
会社員として働いているうちは、社会保険料の手続きや年末調整など、多くの部分を会社が代わりに行ってくれています。フリーランスとして独立すると、これらはすべて自分で管理する必要が出てきます。
具体的には、健康保険を国民健康保険(またはフリーランス向けの健康保険組合など)に切り替える手続きや、国民年金への切り替え、そして毎年の確定申告などが挙げられます。どれも独立してから慌てて調べるのではなく、副業をしている段階から少しずつ情報収集をしておくと、いざというときに焦らずに済みます。
特に確定申告は、副業をしている段階から一度経験しておくと安心です。副業の所得が一定額を超えると、会社員であっても確定申告が必要になるケースがあります。副業のうちに簡単な申告を経験しておけば、独立後、本格的な事業所得の申告に切り替わったときも、大きく戸惑うことは少なくなるはずです。
準備④:一人で仕事をする上でのリスクにも、目を向けておく
独立後は、契約や業務内容についても、基本的にすべて自分の判断で進めることになります。同じ内閣官房の調査では、取引先とのトラブルを経験したことがある人が37.7%にのぼり、その内容としては「発注の時点で、報酬や業務の内容などが明示されなかった」が約4割ともっとも多くなっています*。
一方で、2024年11月に施行された「フリーランス新法」により、業務を発注する企業側には、契約内容を書面やメールで明示する義務などが課されるようになりました。以前と比べて、フリーランスを守る仕組みは少しずつ整ってきています。とはいえ、契約内容は自分の目でしっかり確認する習慣をつけておくに越したことはありません。
「契約書の内容が曖昧なまま仕事を始めてしまった」「後から業務範囲について認識のズレが発覚した」といったことは、経験を積んだフリーランスの間でもよく聞く話です。独立前の副業のうちから、契約書を隅々まで読む習慣、疑問点はその場で確認する習慣をつけておくことが、後々の大きな安心につながります。
一人で全部を抱え込まなくていい
ここまで、準備しておきたいことをいくつか挙げてきましたが、これを全部、いきなり一人で完璧にこなそうとする必要はありません。
副業からフリーランスへの移行期は、案件探しから契約確認、税務の相談まで、やることが一気に増えるタイミングでもあります。だからこそ、この段階でこそ、頼れるサポートを見つけておくことがとても心強い支えになります。
私たちが運営する「シューマツワーカー」では、副業から独立を目指す方に対しても、専任の担当者が継続してサポートしています。案件を複数社確保していく相談や、契約条件の確認、独立に向けたキャリアの相談まで、気軽に話せる相手がいるという安心感は、独立準備における大きな支えになるはずです。
焦らず、一歩ずつ準備を進めよう
副業からフリーランスへの独立は、大きな決断のように感じるかもしれませんが、実際には「取引先を増やす」「生活費を確保する」「手続きを把握する」といった、一つひとつは地道な準備の積み重ねです。何か一つでも特別な才能やタイミングが必要というわけではなく、順序立てて取り組んでいけば、誰にでも進めていけるプロセスなのです。
いきなりすべてを完璧に整える必要はありません。今の副業を続けながら、少しずつ準備を進めていく。今月は取引先を1社増やしてみる、来月は生活費の目標額を決めてみる。そんなペースで大丈夫です。焦らず、自分のタイミングで、着実に一歩を進めていきましょう。



