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「“畳み人”の副業が増える」幻冬舎・設楽悠介氏と考えるこれからの働き方
今回は株式会社幻冬舎に務めながら書籍の出版や講演、上場企業の新規事業アドバイザーなど…
2020.06.11
2020.04.22
“シューマツワーカー アンバサダー”とは、人材領域でご活躍されている方々に副業や働き方改革を世の中に広めるアンバサダーを務めていただき、シューマツワーカーと共に世の中へ一次情報の発信・啓蒙を行っていただくプロジェクトです。
今回は、シューマツワーカーの投資担当である株式会社サイバーエージェント・キャピタルの北尾崇さんと株式会社シューマツワーカーの松村との対談形式でお話を伺いました。
松村:北尾さんにはいつも本当にお世話になっています! さっそくですが、まずは自己紹介からお願いします。
北尾:株式会社サイバーエージェント・キャピタルの北尾崇と申します。ベンチャーキャピタル業界に入って今年で4年になりますが、実は僕自身もともと起業家でした。大学在学中の2013年にメキシコで会社を立ち上げまして3年ほど経営したあと、メキシコ人に会社を譲渡しました。
日本へ帰国後、サイバーエージェント・キャピタル(旧社名:サイバーエージェント・ベンチャーズ)に出合いインターンを開始。大学卒業後にそのまま入社してベンチャーキャピタリストになりました。
弊社の投資先はシード期のスタートアップ企業がメインです。国内外合わせて200弱、国内でも100社強の企業に投資しています。
松村:北尾さんは、ベンチャーキャピタルという立場になってからたくさんの企業や起業家に接してきたと思うのですが、その中で副業社員を採用している企業はありましたか?
北尾:はい、僕の投資先だけでも数社あります。例えば、株式会社POLや株式会社Mewcketなどは積極的に活用しています。僕自身、副業社員の活用はすごくいいと思っていまして、他の投資先にもすすめています。
松村:そうだったんですね! ありがとうございます。特にどの点で副業社員の活用を推奨されているのでしょうか。
北尾:いくつもありますが、フリーランス人材に比べてコストを抑えられる場合があるというところですね。また会社組織に所属しているからこそ、スキルだけでなくチームに適用できる能力も持っていて総合的に優れている人が多いと思っています。
松村:会社員として活躍するには職種スキル以外の要素も多く必要ですしね。逆にデメリットはあると思いますか?
北尾: 副業社員を採用したことのない企業は、どのようにマネジメントしていいかわからないという壁に当たることは考えられますよね。
だからこそ、シューマツワーカーのように副業社員の活用ノウハウを持っている企業が間に入ってくれると企業側も安心できると思います。
松村:ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。
北尾:シューマツワーカーにはどういった依頼が多いのでしょうか?
松村:エンジニアやデザイナー、マーケターなどIT職種の副業案件が多いです。最近は、マーケティングもシステム開発も、求められているスキルが多様化し複雑になってきています。ひとえにマーケターといっても、1人の正社員が全てのチャネルや手法に対応するのはすごく難しいんですよね。だから、専門性の強い副業社員を複数名採用して、各分野のプロフェッショナルとして活用する企業が増えています。
北尾:スポットで週に1回など、コンサル的に知識を共有してほしいという需要もありそうですね。
北尾:他にも、シード期のスタートアップ企業の組織作りにおいて副業社員を活用することに1つ重要なメリットがあると思うんですよね。
松村:それは何でしょうか?
北尾:スタートアップ企業は、非連続な成長を求められることが前提。そのためにはステージに合わせた即戦力となる多様な人材を取り入れていく必要があります。
つまりは、DeNAやサイバーエージェントなどのITメガベンチャー出身者だけでなく、NTTデータやAmazon、メガバンクや総合商社といった大手企業出身の人も、ステージが上がるにつれてどんどんチームに採用していくべきなんですね。
しかし、いざそのような人を採用する時がきても、社長や役員は「この人は自社にフィットするのだろうか」と不安になります。だからいきなり正社員としてではなく、事前に副業社員として採用して“試運転”するのがお互いにとって理想的です。
松村:その通りだと思います。
北尾:会社経営は、1つの正解ルートがあるわけではなく、何百何千通りの枝分かれしたルートをひとつずつ選択して徐々に正解にしていかなければなりません。そして、よりたくさんの選択肢の経験をした経営者が、目の前にある選択肢の中からより良いものを選択できると思っています。
つまり、シリーズB・シリーズCと企業のフェーズが進んで、今までのカルチャーと違う人を会社に取り込むフェーズになった際に、“これまでにチームに大企業の人を取り入れたことがあったか”、“それによって会社とか組織がどう変化したか”、“メンバーが適応できたか”などの経験があると対応できるのですが、でもそれって矛盾してますよね。そもそもシード・シリーズAの予算が限られている時期に、それなりの給料をもらっている大企業の方を正社員で採用するのは難しいので。
でも副業社員ならそれができますよね。そういう意味でも、中長期的なスタートアップ企業の組織作りにおいて副業社員活用はメリットになると思っています。
松村:なるほど。ベンチャーキャピタリストとして、多くのスタートアップの成長を見てきた北尾さんならではの観点ですね。
松村:大手企業で活躍している優秀な人材を副業社員として採用すると、企業側に相当のマネジメント力が求められますよね。
北尾:会社によってそれぞれだとは思いますが、どこかでそのような人材を採用しないといけないフェーズは必ずきます。どの道やらなければならないことなので、そこが懸念点になって副業社員採用に足踏みするのはちょっと違うと思うんですよね。
それに、実はそこまで懸念でもないんです。なぜなら、学生インターンと社会人経験ある副業社員をマネジメントするなら、後者のほうがマネジメントしやすいですよね。そもそも育成前提の副業社員はいないと思うので、育成する期間がないのも大きなメリットにはなります。
松村:そういう意味でいうと、副業社員活用はマネジメント能力をつけるいい訓練にもなりますよね。
北尾:本当にそうだと思います。やっぱり副業社員はメリットしかないですよね。シード期のスタートアップ企業から「正社員を採用するか悩んでいる…」と相談を受けたら、「副業社員いいよ!」と言っています。もちろん、シューマツワーカーもすすめておきますね!
松村:ありがとうございます! 北尾さん、今後ともシューマツワーカーをよろしくお願いいたします!